百鬼夜行

 六道の一つである餓鬼道。そこにいるのが餓鬼という鬼、つーか異形。
 日本史の参考資料本などに絵が載ってたりしますが。目がギョロリとしたガリガリ体型で腹だけ出ている不気味な存在。角は、ないな。
 常に飢えており、例えば人の糞尿なども喰らうし、そういった“おこぼれ”を欲して人に付きまとってたりもする。見えんけれども、おるんだよ。

 一方。子供のことをガキと呼び、その漢字表記は、やはり餓鬼。
 今の飽食&食品ロスな時代では想像つきませんが。昔の庶民は無宿人でなくとも常に腹を空かせていた。とりわけ育ち盛りの子供はガッついていた。ための俗称、あるいは蔑称だと思われます。
 昭和の古い漫画などで、訪問したお客様の手土産が食べ物であることを期待して物欲しげな表情でこっそり見ている子供、といった描写があります。今なら、「ゲームソフトでも持ってきてくれないかな?」あたりの発想でしょうが、昔の子供は、とにかく腹に入れる物を求めていた。つまり餓鬼。

『鬼太郎』の「地獄流し」の回で、地獄に堕とされた男がナイフで脅して喰い物(?)を取り上げた相手、あれも餓鬼でしたね。
 で、自分の顔を喰っては吐いて、また喰っての延々繰り返し。決して満たされることはない。まさに餓鬼道でした。

 卑しい者が来世で堕ちるのが餓鬼道らしいので、そして一度堕ちると中々出られないらしいので。
 まあ分相応、腹八分目で満足しておくのが、そして独り占めせず皆にも分け与えるのが、よろしいかと。

 あれ、そうすると大喰い選手って、来世は堕ちたりするのかな?