望 (旧暦 霜月十六日)

 一見すると「凄い、器用だ」と言いそうになりますが。
 うーん。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1912/11/news079.html

 こんな代物を開発するまで現場が追い詰められているのなら、書類から判子を廃止したほうが効率的だと思います。その分の労力や経費を他に回すべきです。
 そもそも押印・捺印とは、書類の内容を確認し承認したという「意思表示」です。つまり、人が押してこそ意味がある。なのに、意思のないロボットにさせますかね。させて何の意味がありますかね。
 書類の体裁を整えるだけなら、やめちまえ。
 相手の意思表示を書類上に記録するなら直筆署名で充分なはずです。つか、筆跡は高確率で偽物を判別できる反面、判子は偽造が容易。なにせ単なるカタですからね。写すなんてのは簡単な物理現象ですよ。いくら高いお金を払って立派な実印用印鑑を作っても、筆跡と違って複製は簡単なのです。同じ意味で、印鑑証明も不要にしたほうが、むしろ安全だと思います。三文判で簡単に登録できる制度に何の意味があるよ? トラブル誘発するだけだろ。
 だいたい、判子を使う制度には、捨て印というリスキーなものもあるのです。ぶっちゃけ怖いですよ。
 文書への押印・捺印を廃止すると判子屋が困る、なんて意見もありますが。職人さんが手作業で丁寧に作るものは、書画の落款印という立派な需要があるわけですから、絶滅なんてするはずありません。あと、例えば作家先生がサインとともに特製印鑑を押すとかも、いいじゃありませんか。
 つまり書類への押印・捺印を廃止しても、日本の判子文化が廃れることなどないのです。むしろ自由になって進化しますよ(萌え系の痛印鑑などは、その実例と言えるかもね)。

 ↑のロボットは、まさに本末転倒が姿形を取ったものと言えるんじゃないかな。
 ある意味、日本社会の回りくどい性格が滲み出てる。