(旧暦 神無月二日、玄猪、炉開き)

「たんたんころりん」という妖怪をご存じでしょうか?(水木しげるさんは「タンコロリン」としているが、「たんたんころりん」と「たんころりん」は別の妖怪)
 秋になって実った柿の実を採らずにいると出てくる妖怪です。氷川きよしさんも歌ってますよね♪
 たんたんころりん以外にも、柿の実を放置すると、それを諫めるかのように出てくる妖怪は、いくつもあるようで。

 一方で、「木守り」というのもあります。
 こちらは柿の木に限ったことではありませんが、木に実った実を採りつくさずに少し残しておく習慣です。
 来年も実ってくれるよう木にお願いするため、とのこと。
 ただし、この表向きの理由の他に、人間だけで木の実を独占せず鳥たちの分を残しておくとか、旅人が行き倒れたときの非常食用に残してあるとか、そんな裏側の理由があります。墓地のお供え物と同じですね。

 で、何が言いたいかと言うと。
 木守りとして柿の実を残しておくと、たんたんころりんになっちまうんじゃね?
 ってコト。

 まあ、たんたんころりんが「柿の実を無駄にするな」という教訓からの妖怪であるなら、木守りの分までは叱ってこないとは思いますけどね。
 でも、たんたんころりんに化けるまでが柿の実の持って生まれた“習性”“生態”ならば、木守りとで矛盾するわけで。
 実際に、たんたんころりんを見たことがないので、何とも言えませんが(笑)。