(旧暦 長月九日、重陽)

 失った身内をロボットで再現。古典的SFから連綿と伝わるお話ですね。ヒューマギアが精巧すぎるゆえ、法律で禁止するのは当然でしょう。これ、声優だからバレたけど、家の中だけで使ってたら大丈夫だよね。隠れてやってる人、多そうだよね。身内じゃなくて、片想いの相手に似せたヒューマギアを……っていう不届き者もいそうで。うーん、怖いな。
 性別どころか人間以外の声もって、声優ヒューマギア、便利すぎるだろ。
 真面目な話、警備員とか宅配便ドライバーなどと違い、声優という特殊技能の領域にアンドロイドが進出しようとしたら、声優さんの組合が猛反発必至ですよ。「私たちの仕事を盗るな!」と。
 古い話ですが、映画『バットマン』シリーズの「フォーエヴァー」だったかな、バットマンが高層ビルから滑空して地上に降り立ち歩きだすCGシーンに、待ったがかかった。飛ぶのや着地は無理だが、立ち上がって歩くのは役者ができる。そこまでもCGにするのは問題ではないか、と。
 基本、ロボットにはシンプルな肉体労働や危険な任務を頼むべきで、知的生産活動をさせるのは人間の役割を奪うことであり、人間社会崩壊への第一歩だと思います。先代も「ヒューマギアは人間をサポートするもの」と言ってましたよね。この考えからすると、声優ヒューマギアはサポートを越えて行き過ぎでしょう。このまま行くと、先週の先生んトコ同様に、監督・脚本・演出・原画まで、すべてヒューマギアも夢じゃないですよ。下手すりゃ原作までヒューマギアですよ。怖いですよ。
 ちょっと今回のエピソードを観た後では、或人より不破さん寄りの考えになりますね、どうしても。
 声優事務所の社長さんに、或人が唐突に身の上話。
 そうか。或人の父親は早世した。だからヒューマギアで再現して親代わりにしていた。そういうことか。巷の一部に「或人=特別製ヒューマギア」説がありましたが、これで安心して否定できますね。
 特別製と言えば、イズ。あれだけマギアの近くに平気で立っている。あきらかに、ハックされる心配がないという態度です。ということは、やはりイズは特殊なヒューマギアということでしょう。先代の肝いりのようですし。
 刃が或人を責めた「さっさと廃棄していれば」というのは、さすがに言いがかりです。ヒューマギアが故人そっくりというのと、マギア化とは何の関連性もないですから。
 迅は悪人ではなく「子供」ということですね。まだ善悪の区別がつかない段階。ただ面白いことが好きなだけで、人類滅亡もゲーム感覚なのでしょう。そうだな、『エグゼイド』のパラドや『電王』のリュウタに近いのかな。半年……早けりゃ年明けあたりには仲間になってそうだな、迅。
 そんな迅にファルコンのキーを取られちまいましたが、何だろうな全然危機感がない。まーザットに頼めば、すぐに新しいキーが作れるからなー。コアメダルや眼魂を取られたみたく大騒ぎする必要は全然ない。
 最終的にスマート・スピーカにした。ってのは良い落とし処ですね。
 珍しく、イズによるギャグ解説がなかったなー。





 ゴルフ場なんて馬鹿げた物を作る余裕なんて、狭い狭い日本の国土にありゃせんですよ。
 泥田坊のときと似たテーマではあるものの、ゴルフ場という時点で語る価値もないほど。工事現場の連中には同情できないね。連中、アマゾンの密林を焼き払ってる低脳どもと同レベルですからな。
 とは言え、ゴルフ場云々はブラフに過ぎず。
 やっぱり四将を解き放ったのは、ぬらりひょんでしたか。
 その野望とやらは案外と判りやすいかも。妖怪たちを手なずけて自身の大軍団を築こうというもの。そのうえで、たぶん人間社会を蹂躙するんでしょうね。
 そもそも森林を伐採したのも、ぬらりひょんの差し金なんだが、土転びは単純だから引っかかると。人の良い妖怪は多いだろうから、ぬらりひょん軍団は、じきに巨大化するでしょう。鬼太郎側が少数派になるのも時間の問題か。
 公式サイトには「最終章ぬらりひょん編」とありますから、このまま最終回まで行くということですね。復活予定のバックベアード様は、ぬらりひょんとつるむのかな? それとも放置されちまう?
 て言うか残り2クールなのかな? 1クールなのかな?

 さて。ここは触れておかねば気がすまぬ。
「土転び」という巨大な毛玉が『レイダース/失われた聖櫃』よろしく転がって追いかけてくるなんてェ妖怪は伝承には存在しません。
 あれは、水木しげるさんの創作です。そう、氏の悪癖である、伝承にご自身の創作を混ぜてしまった一例です。完全な創作物である『鬼太郎』などでやるのは、まったく問題ありませんが、妖怪解説本でそれをやるのは大問題です。伝承への理解が歪んでしまいますからね。ここだけは、あの世の水木しげるさんに猛省を求めたいところです。
 では「土転び」なる名の妖怪はいないのか? となると実は、いるんです。
「土転び」の表記も、まちがいではないそうですが、正確には「槌転び」となります。槌とは藁などを叩く木槌のこと。この槌の形をした何かが坂道を転がってきて通行人を驚かす。いわば「転がりもの」とでも呼ぶべき一族があるのですよ。槌の他にも、いろいろな形のモノが転がってくる。対応策はギリギリまで引きつけて避けるのだそうな。相手は急な方向転換ができないので、かわせばそのまま転がり去っていく。まあ、運が悪いと次々と集団で転がり襲ってくるかもしれませんが……。
 ちなみに、槌が転がるのではなく、もっとストレートに槌が襲いかかってくる妖怪もあります。山道を行く者に飛びかかり噛みつくことも。その姿は木槌に似ており、また寸胴な蛇にも見える。その名を「野槌」あるいは「槌の子」と呼ぶそうな。そう、「つちのこ」ね♪