昨年九月の日記で「『大帝国』は読んでるはず」と書きました。
すんげー勘違いでした。m(_ _)m
読んでませんでした。
と言うか自分、連番としては『大脱走』で止まってました(汗)。発表順で言えば『大脱走』の後はシリーズ前日譚となる外伝『独裁者の遺産』の他には、仕切り直しの『FLASH』三作品しか読んでませんでした(汗々)。
どうやら『大復活』が文庫になるのを待っているうちに忘れてしまったらしい……。
ホント、作者さんに失礼ぶっこいたダメ読者ですね。orz
ということで遅まきながら。
『ダーティペアの大復活』
『ダーティペアの大征服』
『ダーティペアの大帝国』
高千穂遙/ハヤカワ文庫
力いまだ衰えず。
と言うのは失礼になりますでしょうか。それほどに安定したテンポとパワー。て言うか、ベテラン臭さがないんですよ。若々しいんですよ。まあ、イラストのケイは、令和の今となっては少々オバハン臭い髪型ですが(爆)。
妖之佑の、むわったく個人的意見ですが。
今のラノベ群を遡ると二人のSF作家に行き着きます。と思います。
お一人は平井和正さん。
言うまでもなく『ウルフガイ』や『幻魔大戦』の作者であり、『エイトマン』の原作者としても有名。
当時の重厚なSF界にあって、氏の文体はSFであっても軽快さを損なわず、テンポが重要視されている(作品にもよりますけどね)。古典的SFの概念に囚われない自由な発想、そして一人称の軽い文体も、ともに後のソノラマ文庫やスニーカー文庫などを経て現在のラノベ群に繋がるものだと思っています。
そして、もうお一かたが高千穂遙さん。
『クラッシャージョウ』でデビューされ、『ダーティペア』はアニメでも大人気となりました(TVアニメ放送当時、ケイとユリのことをロリ文化の顕れだと言った、たわけた大ボケ評論家がいたな)。
このおかた、作家としては行動力ありすぎると、ずっと思ってきました(笑)。
だって大学在学中にデザイン会社(後の「スタジオぬえ」)を興すんですからね。
そのうえ、『クラッシャージョウ』での作家デビューが決まると、イラストにあの安彦良和さんをと、ご自身で直談判に赴かれたとのこと。
いやもうね。ご本人がWWWAのトラコンになっても、いいんじゃね? ってくらい。
内容について多くを語るのは、やめときましょう。面白いんだから、みんな読めよ。
なので簡単に。
『大復活』
前作……というか時系列的な前作に当たる『大脱走』で人工冬眠に入った二人が、ついに目覚めて大暴れ。しかもタダでは目覚めない。一粒で二度美味しい。さすがです。
後半戦の展開は、もうあれですね。やったもん勝ちですね。あれは大好きですよ♪
正直申しまして、『大脱走』で二人を凍らせてからは前日譚となる外伝を一つと、そして心機一転の『FLASH』を展開なさったことで、高千穂さんはもう、あの二人を動かすつもりがないんだろうな、あるいは動かし辛くなったのかな、だから冬眠カプセルに封印したのかな、と心配になったものでした。諦めたものでした。
なので『大復活』は嬉しかったし、早く文庫になれなれとwktkで待っていて…………すっかり忘れてましたともさ(汗々)。
『大征服』
“リアル”なRPGの世界を舞台にした物語。
発表が 2006年ということで、例の『.hack//』シリーズが鋭意展開中でしたから、何らかの参考には、なさったものと推測します。一方の『SAO』は、どうですかねぇ。Web発表は、していたそうですが商業出版は、もう少し後ですから。んー。チェックくらいは、なさってるかな?
ともかく、そこはSF小説ですから、単に「ゲーム世界に入り込んだ」とはやりません。サイバーパンクではなくスペオペとしてゲーム世界を構築します。
シリーズでは珍しく、二人が大災害・大事故を引き起こさなかったエピソード。
最後の最後、やっぱケイはアホだわー(笑)。
『大帝国』
『大征服』の続編。と言うか後編かな。
あっちは前編だったから大災害も大事故も起こさなかったのかと、えらく納得♪
なので、こっちではもちろん大量に人が…………(魔笑)。いやホント、「マントル対流をいじるなよ」な。
さーて。
早く文庫にならないかなー『大跳躍』。
(そしてまた忘却の彼方へ……とはならん。ように善処します。はひ)