甲子 (旧暦 水無月廿四日)

 劇場版『ジオウ』にノリダーが出ていると聞いて……微妙な気分になってますよ。
 劇中どういう立ち位置なのか判らない段階で、あれこれ言うべきではないのでしょうけどね。
 でも、微妙な気分。

 しかも。

 巷には狂喜乱舞の声があがっており、中には「これを機にノリダーを仮面ライダーの正史にしろ」というバカすぎる意見も。
 まあ、ライダーよりも先にノリダーに触れた人には、ノリダーこそが原体験になってしまうのは理解できます。あのグダグダ脚本の『タロウ』を最強最高のウルトラマンとする層と同じ。雛のインプリンティングみたいなものですね。
 主観は仕方ないと思います。
 が、客観的視点も持ちましょうよ。

 ノリダーは、あくまでも『仮面ライダー』の二次創作であり、幸運にも原作者・石ノ森さんの寛大さによって成立した、という事実をきちんと直視しましょうよ。
 ついでに、当時は東映の許可を取っていなかった濃いグレーゾーンだった、という事実もね。
 ここを理解していれば「ノリダーを正史に」なんて考えは出てこない。出てくる時点で浅はか。

 たぶん、映画ではジョークとしての扱いなんじゃないかな。例えば劇中の芸人さん、あるいは劇中のマニア、みたいな感じで。
 さすがに、ノリダーを“本物の変身ヒーロー”としては扱わないと思う。思いたい。

 うーん。
 観に行くかどうかも未定ですが。
 観ないと『ジオウ』全編のストーリが判らなくなる危険性も、あるんだよなぁ。なにせ白Pには『ディケイド』の前科があるし。
 とは言え、宣伝文句の「真の最終回」というのがハッタリである可能性も高い。こちらは『龍騎』の映画でやった前科があるからね。
 集客・売り上げに見境・良識の一切ない白Pだからこそ、こっちとしては踊らされないようにしないと。うむ。