誤解している人も多い、ルーチェロータリークーペ。
名前の感じから、ルーチェとルーチェロータリークーペは、例えばカローラとカローラレビンみたいな違いかな、と感じてしまいそうですからね。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190531-00010000-penonline-life
レシプロ4ドアのルーチェにロータリーを載せてクーペ化したもの、という言いかたは正しくもあり、まちがってもいるのです。
そもそも、プラットフォームから別物ですからね、セダンのルーチェとルーチェロータリークーペは。判りやすいのが、記事ではチラッとしか触れていないエンジン・レイアウト。ルーチェはFRで、ルーチェロータリークーペはFF。サスの構成も各部の寸法も全然違う。
つまり、ルーチェをクーペ化したのではなく、まったく別の車をルーチェのデザインで作った、というほうが、たぶん正しい表現だと思います。それほどに大きく違う。
これの発売に合わせてショウで展示されたプロトタイプは、フロント・マスクにシールドがあって、ヘッドライト点灯時に、それが下がってライトが露出するという凝った代物だったんですよね。このまま発売してたら、より一層、面白かったのに。
ああ、そうか。
パブリカとパブリカスポーツとヨタ8の関係に近いんだ。ルーチェとルーチェロータリークーペ・プロトタイプとルーチェロータリークーペ市販車って。
搭載されている 13A も特殊でしてね。ルーチェロータリークーペ専用のエンジンと言って差し支えないと思います。
なぜなら。
他の 10A(コスモスポーツ、ファミリアプレスト、サバンナ初期型)、12A(カペラ、サバンナ後期型、サバンナRX-7、コスモ・ターボ……等々)、13B(コスモAP、ルーチェAP、ロードぺーサー、FC3S 、FD3S ……等々)は、実は同寸法のエンジンと言っていいのですよ。断面(例のヒョウタンとオニギリね)は三つともまったく同じですからね。で、排気量の差は輪切りするときの厚みで出しているだけという。ついでに、ユーノス・コスモに搭載された 20B は、それまでの2ロータに対して3ロータ、つまり2ロータの 13B を3ロータ化したものです。
なので、やっぱり 13A だけが異端なんですよね(ロータリー・エンジンの開発段階では 8A というのもあったそうですが、よく知らないのです)。
ロータリー唯一のFF車であり、ロータリー一族の異端である 13A 搭載。本当に何から何まで特殊づくしの車です、ルーチェロータリークーペ。
この頃の名車で、こいつだけは実車を見たことがないんですよね。
どこかに展示とかしてるのかな?
ついでだからメモしとこう。
RX-2……初代カペラ
RX-3……初代サバンナ
RX-4……二代目ルーチェ
RX-5……二代目コスモ
RX-7……二代目サバンナ 以降は車名となる。
RX-8……そのまま車名に。
RX-9……三代目ルーチェ
RX85……ファミリアロータリークーペ
RX87……ルーチェロータリークーペ
RX500……コンセプト・カー