三隣亡 (旧暦 弥生十一日)

 年二回のお楽しみ、中古カメラ市。正確には「第2回クラシック&中古カメラ掘り出し市」。
 ええ、そうです。昨年六月に閉館した丸榮本店から、開催場所を松坂屋本店(大丸と経営統合したため正式には「名古屋店」だが、あえて地元民としては「本店」と呼び続けたい)に移しての仕切り直し、第二回なのです。
 昨秋の第一回は時間が合わず諦めましたが、今回は満を持して(笑)。

 松坂屋本館の大催事場は広さで丸榮と負けてません。少し広いくらいかな? ともかく売り場面積では見劣りしませんね。安心しました。
 出店の顔ぶれも変化ないようで、正式タイトルこそ変わりましたが内容的には「継続」とみていいかと思います。ああ、よかった。



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 今回の戦利品。もちろんジャンク♪

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 ミノルタの「ミノルタ16」という小型カメラ。以前に入手した「16 MG-S」(本宅にある 2017年5月の日記ログをご参照。ブログでは写真が出ないので悪しからず)の先輩にあたるカメラですね。フィルムは 16mm という特殊規格。

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 正面、向かって左がUVフィルターを固定したレンズ窓、右がファインダー窓。この状態では、ともに閉じています。
 後の 110カメラに至る横長の羊羹シルエットですが、この機種が走りということでもなく、遡れば独逸のミノックスなんでしょうね。

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 ひっくり返しますと、扇形の撮影枚数表示窓と、「LENS:ROKKOR 3.5/25」と「CHIYODA KOGAKU-JAPAN」の刻印。
 当時、「ミノルタ」は社名ではなくブランド名でした。で、会社の名前が千代田光学。ちなみに東京の千代田区とは何の関係もなく、関西で起業だそうな。
 もう一方の刻印は「ロッコール・レンズを使ってますよ」というアピールですね。「3.5/25」は、だいたい判りますが、ひょっとして逆? と悩まなくもない。

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 そういうときは、ここを見ましょう。これで明らかですね。刻印の「3.5」は開放F値。なので装備レンズは「ロッコール 25mm F3.5」ということ。
 このカメラ、シャッター速度が三段階だけのようで、個人的には「1/25」よりは「1/100」が欲しかったかな。

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 ボディを引き伸ばすと、レンズとファインダーとシャッター・ボタンが出現して撮影準備完了。シャッター感は正直、安っぽいですね。バチィンって感じで。(;^_^A
 いじった感覚では押し戻すときにフィルム巻き上げとシャッター・チャージをしているように思えます。正解ならミノックスと同じですね。

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 引き伸ばしたときに出てくるファインダーですが、何もありません。ただの素通しの枠です。至ってシンプル♪

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 伸ばしたまま、ひっくり返します。
 畳んでいたときは端っこにあったボタンが中央寄りに。これを押し込みますと……。

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 外れました。
 本体とカバーとの構造でした。道理でファインダーが“がらんどう”だったわけです。

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 これ見ると本当に、ただの枠ですね。UVフィルターが付いているのが唯一の別素材って感じで。

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 メカ部分を拡大。
 メカメカしくて良いですね♪

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 外したまま、ひっくり返します。と言うか上下を正しく戻した。
 蓋っぽい物がありますね。

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 実際、蓋でした。フィルム室の蓋。
 蓋自体にロック機構はなく、カバーが覆うことで代えているようです。

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 ミノルタ純正のマガジンが入ってました。
 すでに流通していないフィルムを自作(135 などを切って使うそうな)して撮影する強者さんにとって、このマガジンは貴重品らしい。

 Wikipedia で調べましたらば、ポケット・カメラの 16mm は、ミノルタを名乗る前の千代田光学が作り出した独自の規格なのだそうですね。
 フィルム・マガジンの構造や、引いて押し戻す撮影方法から、やはり独逸ミノックスをパク……もとい、おおいに教科書としたカメラだと思えます。梨地仕上げもミノックスっぽいですが、まあ当時の金属製カメラは全般的に梨地仕上げでしたから。
 Wikipedia によりますと面白いことに、このミノルタ16 をソ連がまんまパクったんだそうで。ソ連は西独逸の物をパクる国家だという認識で、ミノルタをパクるのは中国のお家芸だと思っていただけに、びっくりです。構造がシンプルな分、壊れにくくてパクりやすかったのかな。
 実際、同じミノルタの MG-S に比べて機械機械していて、個人的には、こっちのほうが好きですね♪