立春 (旧暦 師走丗日、大晦日)

 研修医あらため小児科医が光回線CMのバイトやってて噴いた(爆)。





『ディケイド』龍騎編は、真司ならぬシンジが変身する“ナンチャッテ龍騎”なので無問題でしたが。
『ジオウ』は、いちおう正史を受けての客演なので、観る側だけでなく作る人たちも難しいところですね。

 おさらいしましょう。
龍騎』という物語の全体像は、最近の作品で例えるなら『まど☆マギ』や『リトバス』や『シュタゲ』です。本人の望むグッドエンドを得るまで何度でも同じ刻を繰り返す、いわゆるループもの。

 幼くして死んだ神崎兄妹。その事実を受け入れられない兄・士郎(一説にはミラーワールドの士郎)は妹・優衣を生き返らせる(正確には仮に生きている妹に本当の命を与える)目的でミラーモンスターを贄とした仮面ライダー同士のバトルを仕組む。十三人のライダーが潰し合い最後に勝ち残った者の願いが叶えられる。でもって、士郎は傀儡であるオーディンに勝たせ自分の望み、すなわち優衣の命を得ようとした(この“蠱毒システム”の原理については何ら説明されなかった)。
 が、ことごとく失敗。それこそ士郎は「数えるのも諦めるほどに」優衣の死から 2002年までの十三年間を繰り返してきたと思われる。その失敗した顛末の一つひとつが、リュウガとファムの登場した劇場版であり、ベルデが主導権を握ったTVSPである。
 そしてTV本編において、ついに優衣が自らの死を受け入れ、ループをやめさせるに至る。士郎も最終的には優衣の意志を尊重、幼い姿に戻った二人はミラーワールドに残り、無邪気に、そして永遠に絵を描き続ける。
 この結果、現実世界は 2003年に進み、仮面ライダーもミラーモンスターも存在しなかった歴史を歩むこととなる。真司は蓮と面識なく、その蓮のカノジョは(おそらく)元気で、北岡弁護士はすこぶる健康体、浅倉もシャバを普通に歩いてる(今、書いてて気づいたけど、蓮や北岡や浅倉の厄介な境遇って、けっきょく神崎士郎の仕込みだったってことだよね? 彼らをライダーにするための……ひでえ)。そして、紅茶専門喫茶店・花鶏に飾られてある写真はループ中とは違い幼き神崎兄妹のみとなっている…………なべて世は事もなし。
 両親に虐待され軟禁状態だった神崎兄妹の描いたモンスター群の絵が、なぜ実体化したのかは不明ですが、『リトバス』で瀕死の(というか、そう盛大に誤解した)恭介がやったことに近いものと解釈しています。

 部分部分で記憶違いもあるかと思いますが、おおむね、こんな感じかと。
 なので、『ジオウ』が『龍騎』の正史を受けているなら、ソウゴたちに助けられた真司はミラーモンスターも仮面ライダーアドベントカードも一切知らない真司です。タイムジャッカーの干渉とか全然関係なく、“仮面ライダーの力など生まれてこのかた一度として持ったことのない”真司なのです。つまり、歴史をいくら遡ったところで、龍騎はどこにも存在しない見つからない。
 この状況が後々の作品で龍騎を客演させる場合の、大問題点であり矛盾点なのですよ。ま、制作はスルーして客演させてますけどね(苦笑)。

 だからこそリュウガなんでしょう、今回のアナザーは。

 妖之佑は『龍騎』劇場版を観ていないのでイマイチ、ミラー真司@リュウガについて理解していないのですが。
 ただ、本編の結末から考えると、現実世界が 2002年止まりのループから抜け出し 2003年を歩んでも、幼い神崎兄妹が引きこもったミラーワールドは依然として存在するわけです。ただし、ミラーモンスターが現実側に干渉することは、もはやない。優衣の意志決定により互いの世界は完全に切り離されたのですから。
 ウールがやったのは、その仕切りに極超低確率で穴を空けるということですね(あいつにガチャやらせたら廃人プレイヤーまっしぐらだな♪)。で、ミラー真司を呼び出すことに成功した(劇場版でリュウガは龍騎に倒されたが、士郎が時間を巻き戻しているはずなので、ミラー真司が復活していても何ら矛盾は生じない。て言うか、TVSPにも出るだけは出てたしリュウガ)。



 長々と振り返りました。(;^_^A

 で、何も知らない何の力もない平凡なる一般市民にすぎない真司が自室の窓やら食器棚やらを新聞紙で覆いつくしていたのは、『龍騎』第一話にて、OREジャーナル見習い記者の真司が訪れた、行方不明となっている榊原耕一の部屋そのもの。
 榊原が恐れたのはドラグレッダーに違いなく、契約を拒否したため喰われたものと推測できます(ちなみに、TVSPの榊原は龍騎になっており、敗北した際に居合わせた真司にカードデッキを託した)。
 一方、今回の真司が恐れていたのはミラー真司でしょうね。上手く旧作をリスペクトしたものです。
 腰抜かしたときの表情とか、明らかに年下のゲイツに「行け」と言われて「はい」と返すあたり、十六年経っても真司なところに、びっくりですわ♪

 大久保編集長……失礼、元編集長、老けましたなー。生き甲斐だったOREジャーナルを閉じてから一気に枯れたんでしょうねぇ。
 業務終了の理由がリアルすぎて泣ける。2002年当時、OREジャーナルは先駆的なネット・ニュースだったはずです……まあ、取材対象は金色のザリガニだったり金色のカニだったりしますが(汗)。それでも読者のニーズに応じて真相を究明するというのは大久保さんの報道魂、熱意からのもので。
 それが、「最近の読者ってのは何でもかんでも自分で発信しちゃう」からねぇ……つか、もう「読者」じゃねーしそれ。
 2019年現在、裏も取らない噂話記事とか、TV番組の放送内容を書くだけの記事とか、他所のブログからのコピペ記事とか、ライターの妄想記事とか、完全フェイク記事とか、酷いニュース・サイトが山ほどある現状ですが。大久保さんは報道に真摯だったってことですね。まさに悪貨が良貨を駆逐する。
 思えば、『龍騎』本編の終盤、事件の真相を知った編集長による熱い仮面ライダー記事が素晴らしかった。

 ライダー本人がアナザーになるのは、シノビに続き二人目。
 ですが、あっちは未来と現代に分かれてたけど、こっちは分かれてない。現在の、アナザーになる直前のミラー真司がリュウガに変身できたかどうかは不明ですが、とにかく現状、リュウガのウォッチを得る手だてはないですね。
 となると、ジオウII がチートばりの能力で「同じライダーの力でないとアナザーを倒せない」法則ブチ壊して倒す、ってところでしょうか。ま、白ウォズも、やってることですから。
 いやさすがに、ここまで『龍騎』の設定に沿ってきちんとしておきながら、次回に龍騎の復活は、ないと思いますよ。て言うか思いたい。

 ところで、ミラー真司と言い、鏡ソウゴと言い、ミラーワールドの住人が性格悪いのって『STAR TREK』の影響なんですかね(笑)。