(旧暦 師走八日、事始め)

『ハンチョウ』の第5巻がパワーダウンしている件について。

 うーん、ネタ切れなんですかね。
 4巻までに比べると何か物足りない。軽すぎる。そんな感じ。
 あ、いや。第4巻の最後で、すでに劣化が始まってたんですよね。ほら、あの沼川の級友が墜ちてきた話。あれ、中身カラッポでしたからねー。
 5巻で特に問題なのは中途半端な爆弾テロの話と、そして何より例の『エンドレス・エイト』丸パクリが、いけない。あんなのをやっちゃダメですよ。たまに違うカラーをやりたくなる気持ちは判らんでもないですが、でも『ハンチョウ』の読者は、そんな安っぽいSFもどきなど求めちゃいない。おまけに、最後は夢落ちで逃げるし。あれは番外編あたりで、お遊びでやるレベルのものです。
 他は、まあ平均点でしょうか。沼川がスネる話とか沼川が“もやしもん”する話とか、それなりに面白かったですし、班長同士の不毛な闘いも笑えました。
 ああ、そうか。5巻では読者の欲する内容つまりB級グルメ色が、ほとんどなかったんだ。それで物足りない印象を受けるんだ。

 あと一つ気になったのが、発酵食品のところで出てきた黒崎。
カイジ』本編を読んでいないのでアレですが、少なくともアニメの『カイジ』に出ていた黒崎は切れ者の印象でした。隙がなく腹黒、しかも筋を通した範囲ではクズの話にもちゃんと耳を傾ける。
 なのに5巻に出た黒崎は、まるで石和レベルの低脳キャラです。目の焦点が合っていないし、だらしなく口を開いたままだし、漬け物囓りながら歩くし。あれじゃただの阿呆ですよ。
 スピンオフだからと、黒崎さん自らキャラ作りを変えてこられたんですかね(笑)。ここは違和感でした。

 第6巻で盛り返してくれるのを期待してます。