二百二十日 (旧暦 葉月二日、二日灸)

 エピソードIII 、案外と短かったですね。黒幕が小物臭プンプンでしたし、これくらいが、ちょうどいいですよ。テンポも保てるし。
 ルパンや不二子とともに逃げる際、アミが手榴弾を投げて兵士たちを撃退。そのショックを受けているとき、不二子の言葉で落ち着きを取り戻してましたが。あんな簡単には、いかないよね。理屈では不二子の言うことは正しいけど、それでも「自分の行動で何人か確実に死んだ」という事実は大きい。トラウマになっても不思議じゃない状況です。なので、あそこで演出的にアミに殺らせる必要があったかどうかは疑問です。例えるなら、クラリスにジョドーあたりの横っ腹を刺させるようなものだからね。やっちゃあかんでしょ。
 次元と五ヱ門が「探すのめんどくさいから待ってた」と王女に張り付いてたのは、お見事♪ ツーカーだからこその展開で楽しいです。そして、やはり容赦なく血まみれ殺戮。敵がこちらを殺す気満々なのだから、それで正解。とは言え、これが十九時台放送なら自粛の嵐だったんだろうなぁ。

 以降は一話完結が続いて、ありがたい。

 謎解きの回は、第一期への強いリスペクト。と言うか緑ジャケでしたからねぇ。伯爵のファイルもモロに一期のシーンばかりだった。
 にしても、ジム・バーネットを名乗るなんて「俺はルパンだぞ」と言ってるようなもの(笑)。
 メイドのマリーは良いキャラ。ルパンにやるくらいなら俺がもらう!

 そう言えば、ルパンは爺様と違って“世を忍ぶ仮の姿”を持ってませんね。銭形に化ける以外は変装も偽名も使い捨て。固定した表向きの顔を持たない(次元とコンビな間借り人の爺さんズは別勘定でいいだろ♪)。
 アルセーヌ・ルパンは表向きの顔をいくつも、しかもそれぞれ公式の身分まで持っていた。極めつけはドン・ルイス・ペレンナですね。彼は仏蘭西外人部隊の英雄で、その功績により勲章を授与されたほど。ジム・バーネットも、そんな表向きの一つですよ。あと、あれも、びっくりしたなぁ。『8・1・3』の、あの人物♪
 ついでに言っとくと。第一期に三世が登場したガニマール警部は、巷で言われるほどアルセーヌのライバルではないです。はっきり言って銭形警部の足下にも及ばない。いえ、無能ではないんですよ。むしろ刑事としては優秀なほう。イメージ的に近いのは目暮警部あたりかな。

 次元の過去は……まー何と言いますか、次元も五ヱ門も、いったいいくつ過去を持ってるんだ? レベルで(苦笑)。
 それぞれパラレルとでも解釈するのが、みんなが幸せになれる道でしょうか。

 そしてエピソードIV 。

 とりあえず、あの髭面、嫌いだ。
 過去の悲劇で涙誘おうったって、そーはいかねえよ。けっ。

 なんともまあ、懐かしい面々が書き込むこと書き込むこと。つか連中、生きてたのかよ(笑)。
 そんな裏社会の面々はともかく。一般市民に追い回されるのはエピソードIと同じ。某仮面ライダーも似たような目に遭っていたらしく(笑)。
 行動パターンすべて見透かされるのは、第一期にもありました。ルパンのデータすべてをインプットしたコンピュータが徹底的に演算する。あのとき、ルパンは土壇場で計画をアドリブに変更することでコンピュータを出し抜きましたが。時代は今や平成の終わり。AIの進化がハンパない、ということですね。さて、どう切り抜けるルパン?

 演出上のためとは言え、次元が素人レベルなのは勘弁してやってくださいよ。
 相手に銃口を突き付けるのは「いつでも撃てるぞ」とプレッシャーをかけるため。しかし、それは銃を一瞬で無効化されるリスクをともなう。実際、次元はコンバット・マグナムを弾き飛ばされましたからね。あれ、別にブルース・リージャッキー・チェンでなくとも、マーシャル・アーツを習得した者なら容易にできることです。
 ああいうケースでは、つまり敵に接近する場合は、腕を伸ばさず銃を脇に寄せて相手のリーチから離した状態で狙うのがセオリー。
 なら、どうやって脅すかと言うと……適当な筒っぽか囮の銃を突き付けるんですよ。そして、もう一方の手でしっかり本命を構える。で、相手が銃身と思ってダミーに手を出したら、バンッ!
 次元には、そこまでさせてやってほしかった。そのうえで相手が、その攻撃すら回避する、でいいんじゃね?
 脚本の都合で、プロフェッショナルに、あんな無様を晒させるなんて失礼ですよ。

 五ヱ門の苦悩は要るのかなぁ。何か無理矢理に山場を作ろうとしている感じで……。
 第一期、最初の闘いで、ルパンは本気で五ヱ門を殺ろうとしてましたよ。例の液体燃料、あれで焼き殺す気だった。五ヱ門がルパンを斬る気バリバリ大全開だったんだから、手加減なんて、さすがのルパンもできないっしょ。
 結論は今後の展開を観てからにしますか。

 にしても、本当に今期のルパンは、よく深手を負うよなぁ。
 まあ、二期みたく安易に防弾装備で済ますより、ずっと良いですけど。