(旧暦 水無月廿八日、荒神祭)

 『Flores 〜死者への花束』
 『Flores 〜死者への花束』桑島法子
  ビクター エンタテインメント VICL-60815


 声優・桑島法子さん唯一のオリジナル・アルバム。キャッチ・コピーが桑島法子は 毒にも 薬にも なります」という、なかなかに深い。
 出たのが、たしか 2001年末だったと記憶しています。妖之佑が買ったのは翌年の早いうち。遅くとも二月かな。
 桑島さんが今はライフワークになさっている宮沢賢治の朗読。これの、ほぼ走りだったと思うのです。当時、桑島さんがパーソナリティを務めておられたアニラジ『CLUB db』の中での新曲披露(まあアルバムの宣伝ですね)の中、『原体剣舞連』の朗読も、かかったのですよ。で、背筋にビビビッと何かが駆け抜け、ソッコー(いや、日はあらためますがね)買いに走りました。
 それまでは失礼ながら桑島さんのことを、どこにでもいる普通の女性声優さんの一人としか認識していませんでした。ぶっちゃけ、『ナデシコ』のミスマル・ユリカも『スレイヤーズ TRY』のフィリアも、誰にでも務まるキャラでしたからね。
 その認識を激変させてくれた。それだけインパクトのある朗読なのです。もちろん『原体剣舞連』だけでなく他の朗読も楽曲も、すべて◎。妖之佑にして満足度MAXなCDは数少なく、その中の一枚です、これ。
 2002年の2月というと、個人的に嫌な……と言うか不愉快と自己嫌悪の合わさった、かなり凹む出来事がありましてね。そのとき精神面で救ってくれたアルバムでもあるのです。
 オリジナル・アルバムを、これ一枚だけにしているというのも、桑島さんらしいと言いますか。

 ついで話ですが。
 ↑で触れました桑島さんのラジオ番組『CLUB db』の中で、ラジオドラマが流れていたのですよね。これが、かなりしっかりした内容で、最後の最後に泣かされました。
 長年、そのタイトルを忘れていて、どうにも調べようがなかったのですが、ふと「桑島法子 氷上恭子 島田敏」で検索かけたら一発ヒットでした。なーんだ、オイラの探しかたがヘタッピだっただけなのかー。(;^_^A

『メモリーサイト75』

 というタイトルで、CD化もされていたんですね。
 で、忘れていたもうお一人のキャストが平野文さんだったことも、おかげで思い出せました(いや他にもいらっしゃいますけどねキャストのかたがた)。