(旧暦 水無月二日)

 電子書籍の購読っつーのは詰まるところ、販売元のクラウドに置かれてある書籍データの閲覧許可を得ることに過ぎなくて。なので、路線変更なり倒産なり事故なり夜逃げなりで販売元がサービス終了すれば当然、読むことは不可能。支払った本代も戻ってこない。
 閲覧権のみを買っているという点では映画などの有料配信に近いと思います。ついつい「本を買っている」と勘違いしそうですが、ここ重要。

 これはこれで本の保管に関して物理的空間的制約から解放されて便利なのですが。
 販売元の事情で一瞬にして“蔵書”が消え去るリスクを考えると、あまり良い気はしません。

 なので常々思っていたのが、↓が一番ベターな妥協点なのではないか、ということ。

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/1132192.html

 第一弾の『北斗の拳』は端末そのものが作品本になっていたため、物理的保管の意味で電子書籍としての利点が弱かった(紙の本に比べたら格段に省スペースですがね)。
 ところが、第二弾以降は、作品そのものはカセット化して、端末は各作品で使い回せるようになった。つまり音楽をSDやUSBで聴くためのプレーヤみたくなった。
 蔵書としての物理スペースが不要な一般的電子書籍に比べると、保管場所が必要ではありますが、とにかく「買った本」を物理的に手元に置けるという安心感は重要だと思います。まあ、これはこれで音楽CDや映像BDみたく、メディアが壊れた場合に買い直さにゃならんというリスクが付きまといますが(汗)。

 ケース・バイ・ケースということに尽きるのでしょうか。
 ともかく、選択肢が増えるのは良いことです。

 妖之佑としては配信よりも、カセット電子書籍を端末に抜き差しするほうが好きですけどね。
 これ、『STAR TREK』(T.O.S.)の劇中に出てきた本そのものですし♪
 60年代の制作なのに、動画も音声もプログラムもテキストもメディアが同じカード(見た目、CFカードに近い)だとか、船長が秘書官に応じてサインする書類はタブレットだとか、オペレータが片耳に着けるイヤホンは無線(まるで Bluetooth そのもの)だとか、患者を寝かせるだけでバイタル・データを計測・表示する医療ベッド(モロにスマート・ベッドだね)だとか、あの作品は技術予言が凄すぎて凄すぎて……。