(旧暦 卯月廿五日)

 碇ユイの消失と零号機の暴走とを一緒くたにやりやがった(笑)。



 あーははは。
 私の推理、見事に大ハズレ。orz

 博士が全部、解説してくれましたね。
 2025年現在、すでに APE は世界の実権を握る権力者集団。
 マッド・サイエンティストな博士はスカウトされて、不老不死の研究を成功させ、そのおかげで、あるいはそのせいで、人類は生殖機能を捨てた。ゾロメが世話になったあの婆様は、不老不死を享受しているセレブだったと。
 不老不死を「全人類への施術が完了」というのは、つまり超高額の出産税によって貧乏人は子供を産めない。産めないから貧乏人の血族は滅ぶ。残っているのは富裕層のみ。だから「全人類」。という推移だろうね。ひっでー。
 でもって、人工授精で誕生するのは、使い捨て兵器としてのコドモのみ。だから婆様がゾロメに言ったんだよな。友だちになるのは無理だと。そもそもオトナとコドモは別の生き物なのだと。無自覚だろうけど、酷い思想だよ婆様。
 ナナとハチも、思ってたとおり、背が伸びただけのコドモだった。

 叫竜は先史文明の名残かもしれないね。で、マグマ燃料も、その先史文明によるもので、常識的に考えれば優先権は叫竜側にある。言わば人類は燃料泥棒。そりゃ怒るわ。
 ゼロツーは博士が持ち帰った(博士の根性、すげーよ)姫の髪から作られた、いわばクローン。ウザいイケメンどもは、ゼロツーの研究成果から作られた量産型というあたりかな。ああ、某モビルスーツのせいで「プロトタイプ>量産型」という式が流布しているけど、実際にはプロトタイプより量産型のほうが、はるかに安定した高性能になるもの。でなきゃ試験機の意味がない。つまり、ストライクドッグよりラビドリードッグのほうが完成度高いのだよ。

 性懲りもなく予想しますと。
 落とし処としては、ヒロとゼロツーが架け橋になって、叫竜とコドモが和解すること。あるいは姫の理解と慈悲を引き出す、かな。
 人類の後継者は、やはり不能なオトナではなく生殖機能を持つコドモであるべきだし、コドモならアナクロでアナログな生活も違和感なく続けられることは証明済み。そんなアナクロ生活にマグマ燃料など不要なのだから、姫もコドモを見逃してくれるものと期待できる。
 もちろん、APE はコドモと叫竜にとって共通の敵ね。

 そもそも叫竜が何者かということについては。
 XXの遺伝子というのが気になって気になって。
 ほら、人類の基本形はX遺伝子のみで構成される♀で、そこにY遺伝子という異分子を追加することで♂が発生、女性の体から変形して男性の各器官ができた、という説があるでしょ。例えば『ガルフォース』のソルノイドとパラノイドは、この説を基にしている。
 ここから、性懲りもなく推理しますと。
 太古、何者かによって地球がテラ・フォーミングされ、地球の核やマントルを制御するシステムとしての叫竜が作られた。その叫竜の遺伝子から、偶々なのか創造者が意図してなのか、人類の基本が発生。そして有史の文明へと至る。マグマ燃料は叫竜が地球をコントロールするのに必要な物質であり、これが枯渇するとマントルなどが制御不能となり、結果として地表の環境にも影響を及ぼす。
 てなところかな。
 ちなみに、人類の遺伝子から叫竜が発生という順序は、前に出た APE の台詞によっても成立しないと思われ。まあ、どう考えても姫のほうが“歳上”だろ。

 しかし。
 そうなると、コアから出てきた胎児っぽいアレは、いったい……?