上弦 (旧暦 卯月八日、灌佛会)

 ご苦労なことに、名古屋市役所本庁舎の前まで来て抗議デモをやるその異様な熱気を見てますとね。
 あの人たちはきっと、二階以上にあるレストランに入ろうとして「かついで上げろ」と店の人に要求、これを拒否されると逆ギレするんだろうなあ、と思えてなりません。

「史実に基づく忠実な復元」と「バリアフリー」とは共存できない。
 こんな簡単なことが理解されないというのがね。不思議でなりません。
 普通に考えれば、エレベータ必需というなら「木造復元」そのものに反対すべきでしょう。
 なのに木造復元はよくて、その木造にエレベータを付けないのがけしからん、と。いや奇々怪々な理屈です。

 そしてまた。
 交通機関や病院、役所の窓口などなどがバリアフリーであるべきなのは当然ですが。
 それらと、天守閣の木造復元とが同列に扱われているのも不可思議極まりないです。「人権侵害」とまで叫んでいるそうですが、天守閣に上がれないと日常生活に支障が出るとか生存権が脅かされるとかあるんですかね?

 件の抗議活動を扇動……おっと失礼、先導している人物の価値観や思想がどんなものなのか、いささか気になりますね。