(旧暦 弥生十三日)

 半年に一度のお楽しみ。
 恒例、中古カメラ市。

 残念なことに、丸榮が老朽化を理由に解体・閉店するのを受けて、定例では今回が最後とのこと。
 六月に、お別れ会の意味で、もう一度だけ開催されるそうですけどね。

 ちなみに、この解体・閉店を決定したのが、丸榮の親会社となっている興和。銘カメラ・銘レンズも作っていた興和が引導を渡すとは、何の因果でしょうか。
 つか、百貨店としての丸榮は復活させんのか? それも残念だよ。
 興和は、RADIO-i の閉局も決定した張本人だしなぁ。
 まあ、経営の苦しい会社を親会社として支えてきての結末だから、批判するのもアレですが……。

 気を取りなおしまして。
 今回の猟果……と言ってもたいした物ではございません。
 最後の開催ということで、いつもは手を出さない物にしただけのこと。


 F-401s

 今まで、フィルム式AF一眼レフそのものを所有したことが、ございませんでした。持っているのはMFばかり。そのままデジタルに移行してAFを使ってますので、AF機構そのものに違和感はありません。
 ジャンクなので、どうかなとは思いましたが、オブジェとして購入。実はニコンの中で一番、気になっていたAF一眼レフだったんですよね(F4、F5は別格だから除外ね)。
 なぜ気になっていたかは、写真家・田中長徳さんのせいです(笑)。氏のご著書の影響で、グリップ部にでっかく入った「Nikon」のロゴが気になって気になって(大笑)。
 それはともかくとして。
 自分的に、AF一眼レフを使うなら広域ズームを着けっぱで露出も自動で、というのがイメージとしてありました。いちいちレンズ交換をせず露出や焦点など気にせずフットワーク最重視ということ。この考えはデジタル一眼でも同じです。で、その姿勢に最も合うと感じていたのが、この F-401s でした。もしも新品で買うなら、これにしていたはずです(買わなかったけどねー)。そう考えるとマニュアル用に設置されたシャッター速度と絞りのダイアルが余計ではあるのですが、そこはほら、メカメカしくて格好良いということで♪

 試しに電池を入れてみたら動きました。ちゃんと撮影できるかどうかまでは判りませんが。合焦の速度も実用の範囲内ですね。イライラすることはなさそうです。
 ただ、底蓋のロックが壊れてて、抑えてないと電池が電極に接触しません(爆)。品定めでは正常で、買って帰ったらロックが効かなくなるという、ジャンク買いのデフォルト現象。orz
 まあ、オブジェ目的だから、いーんです!


 α-9000

 日本人として、AF一眼レフの元祖というと、イメージ的にはミノルタのα-7000 ではないかと思います。
 それ以前にも、ニコンに F3AF が、ペンタックスにもAF機能を内蔵した SMCレンズがありましたが、どちらも普及するものではなかった。と言うか、普及させる気ゼロでしたね。ほぼ実験機みたいなモンで。
 AF一眼レフ普及の第一歩は、やはりαであり、直後に続いたのがキヤノンのTではないかと。

 で、このα-9000 は、一番機である 7000 に続いて出た二番機。さらに三番機としてα-5000 が続きます。標準機の 7000 、廉価普及機の 5000 、そして最上機種としての 9000 という判りやすいトリオ構成。
 画像をぐぐっていただくと判りますが、7000 と 5000 はよく似ています。7000 をシンプル化したのが 5000 って感じ。
 ですが 9000 は、まったく別物としてデザインされています。直線的なシルエットは、いちおう三兄弟とも似ていますが、ボタンやツマミ類が 9000 だけ全然違う。
 これは、ミノルタがα-9000 を X-1 の後継機として考えていたからではないのかと思っています。プロ向けMF機である X-1 。その後継としてプロ向けAF機の 9000 。ということですね。実際、歴代のミノルタαは、最上機種のみ「9」を名乗ってますし。
 プロ向けと考える根拠は、9000 本体の電池入れ。単三が二本です。二本ですよ二本! 3Vですよ? これで使い物になると思います?
 幸い、妖之佑が買ったジャンクは電池を入れたら作動しました。ですがAFが…………遅い。遅すぎる。古い機種だからを考慮しても遅すぎます(聞くところによると単三を四本使う 7000 は特に遅くもないそうな)。しかも、こいつ、フィルム巻き上げと巻き戻しがね、手動なんですよ。ちゃんと巻き上げレバーと巻き戻しクランクがありますからね。もちろんシャッター・チャージも、この巻き上げレバーで。
 つまり。
 そもそもα-9000 は専用のモードラを使うこと大前提で設計されているのです。だから本体にワインダーを内蔵していないし、電池入れもオマケみたいなもの。で、モードラのない状態では鈍亀そのもの。いや、実際に手に取ると笑えますよ。AF機なのにマニュアル感が物凄いったら。なのに電子制御だから電池がないとシャッター下りない。シャッターにメカニカルXなどない。でも手で巻き上げはできる。チグハグなんてもんじゃないですね。これなら最初っから F5 みたくモードラ一体にしても良かったんじゃね? とは思うものの、時代がそこまで行ってなかったってことでしょうか。
 で、定価が本体のみで十二万円を越えてたはずです。そこにモードラを追加で買う。これはもうプロか濃いマニアしか手を出せません。

 そんな最上級機 9000 ですが。
 7000 、5000 に比べても経年変化による不具合が多いそうですね。そこはしっかりミノルタしてる(苦笑)。写真のジャンクも、しっかり該当してますよ。はひ。
 いーんです。オブジェとして買ったんだから。

 でもまあ。
 あれこれ言いましたけどね。
 面白いカメラですよ、α-9000 。