三隣亡 (旧暦 如月十九日)

 七月に第三期って……絶好調ですなー。

 とは言え。
 一期に比べて、何とも複雑な気分の二期でした。

 いえ、出来の云々ではなく。

 アインズ様のスタンスが、ですね。
 どう考えても人類の敵なんですもん。

 一期ではカルネ村についても、漆黒の剣についても、打算があったとは言え、いちおう人助けでした。
 ところが二期では、あからさまに侵略と支配であり、相手の立場や都合などお構いなしに一方的。魔物としての面目躍如です。
 リザードマン攻めのときは、骸骨の椅子に躊躇していたアインズ様でしたが。
 最終話、デミさんが王都の人々を拉致して何かに利用すると聞いても、その反応が薄い。自覚があって、ようやく出た言葉が「苦痛なき死を」ですからね。一方的に拉致しておいて、非情なこと。
 この鈍感さ、娼館でツアレたちをボコボコに殴ったうえで犯していた、そしてそれを理由にセバスさんに「生きる価値もない」と蹴殺された、あのデブとも共通するものなんですよね。そもそも悪いことをしていると思っていない。デブは生まれ育った環境が支配者層だったため。アインズ様はアンデッド基準の価値観・倫理観ゆえ。ともに力を持つ者としての自然な態度ではあるわけです……いちおう。

 ゲーマーのモモンガさんは、もういなくて、そこにいるのはアンデッドの王でしかない。なら彼は人類の敵ですよ。
 そりゃ、モモンさぁーーんやナーベさんの茶番なんて眼中にない。メイド二人を相手に苦戦する恋する乙女や、爪切り成功させたブレインさん、モンスターを1キルのガゼフさん、そのガゼフさんを参戦させるため自ら最前線に赴いた王様のほうを応援したくなるってもんです(にしてもブレイン、よくあの一瞬でヤツメウナギの扮装を見抜いたな。あれはもう惚れた女を探すレベルだろ♪)。
 ヒールとしての八本指の存在は物語のバランス取りに大きく貢献したということですね。彼らがいなかったら、視聴者(読者)はナザリック視点になど、なれなかったはずですから。

 アインズ様はナザリック支配者としては理想的ホワイト上司ではありますが。
 ナザリック周辺にとっては、厄介なバケモノであり侵略者であり腹黒の策士。
 観ている私たちは、どちらに付けばいいんでしょうね。二期のおかげで、自分の立ち位置に悩みますよ(苦笑)。三期でアインズ様が“改心”するはずもないし(爆)。