大寒、二十日正月、初せん始め (旧暦 師走四日)

 何度観ても良いものは良い。
 まさにデフォルメの巧み。
 辻褄なんて、どうでもいい。圧倒的な面白さの前には合理性の追及など無意味。

 実のところ、ツッコミ処なんて満載なんですよ。
 今後数百年は破られないであろうルパンの世界記録的三段跳びは言うに及ばず。
 シモノフPTRS1941 を腰だめで撃つ次元とか。
 斬鉄剣の無敵ぶりとか。
 マグナムの直撃でも怪我一つしない影どもの鎧とか。
 重力無視して走るチンクェチェントとか。
 欧州を走る埼玉県警のパトカーとか。
 オートジャイロは未経験者がぶっつけで操縦できる代物じゃない(と思う)とか。
 ジョドーのマシンガンを止めたクラリスが、なんで火傷しないのかとか。
 そも ICPO は各国警察の互助会みたいなもので情報交換の場でしかなく捜査権など持たないのに、とか。
 ルパンが歯車いくつも壊したのに、なんで「お宝」のカラクリが正常に作動したのか、とか。
 とか、とか、とか……。

 でも、これらすべてが面白さの前に降参する。テンポの良さに置いてけぼりを喰らう。
 それが『カリオストロの城』の底力でしょう。

 後年の作品群がいろいろと叩かれるのは、やたら教訓めいてきたためか、面白さそのものが弱っているからに他なりません。
 正面攻撃がさほど厳しくないので容易に脇を攻められる、ということです。

 やっぱ、言っときますか。



 あの頃の宮崎監督を返してください!



 あぁ。
 木スト付きウジのモデルガン、今さらに欲しいなぁ。
 なんでメタル・ストックのほうを買ったんだろ、かつての自分……。