小雪、豊川稲荷秋季大祭 (旧暦 神無月五日)

 取り組みを行った力士本人が物言いをつけられないのは常識。なので白鵬のアピールは、判定の是非に関係なく、論外の行為。
 念のために言っておくと、物言いをつけられるのは五人の勝負審判および控えの力士のみ。これは公正な判定をする目的なのだと妖之佑は解釈している。
 他のスポーツみたく当事者である選手本人やコーチ、監督などが審判に抗議するのは、あくまでも自分側の利益目的であり、断じて公正を求めてのものではない。その証拠に自分に有利な誤審であれば放置する。こんなもの、公正とは程遠い。
 これに対して大相撲の物言いは第三者がつけるため、取り組みを行った力士の利益は一切、考慮されない。とにかく正確な判定を目的とする。
 ここを白鵬は理解していなかったのだろうか。だとすると親方の指導姿勢が問われるが、それ以前に一人前の関取が大相撲のルールを知らないというのも、たいした恥曝しだと思う。

 そもそも「時間いっぱい」を時計係審判が告げ、それを受けて行司は「待ったなし」を両力士に宣言するのだから、仕切りでない時間いっぱいの立ち合いにおいて「待った」は存在し得ない。これが道理。
 付き手不充分などの理由で立ち合い不成立を判断するのは行司や勝負審判の役目。当事者である力士に、それを決める権限はない。
 なのに、現実には力士主導で時間いっぱいでの「待った」が頻繁に成立している。そんな灰色状態を長年に渡り慣例的に黙認してきた審判部にも責はあると思う。そう言えば一時期導入された、「待った」に課せられる制裁金制度も気づけば廃止されてるね。

 ニュース番組で当該の取り組みVを観たが、立ち合いは普通に成立している。何より白鵬は、きっちり張り差しに行っている。その時点では「待った」などしていない。そのすぐあとで力を抜いているが、行司が「のこった」と言っているのだから完全に白鵬の自滅にすぎない。
 あれで「実は待っただった」と長々アピールするのは、頭がおかしいのでなければ悪意を感じる。

 個人的には翌日の一番を出場停止にするくらいが処分として妥当だと思う。
 毅然とした態度が取れないのは理事会が腰抜けということ。だから横綱が思い上がるんだよ。「横綱角界の第一人者だから親方よりも偉い」と勘違いするんだよ。

 不要な駄目押しを頻発したり。
 審判部への不満を堂々と公言したり。
 なんか最近は白鵬の「朝青龍化」が目立つ気がしてならない。
 それがモンゴル人の持って生まれた気質・傾向だと言うなら、そもそも大相撲に対する適性を欠くことになるんだが。

 ハワイ人力士に、そういう上を見下すような態度はなかったと思うけど。
 ただ、現在はハワイ人横綱がいないからねぇ。単純に比較は、できないか。