(旧暦 葉月丗日)

 いつも言っていることですが。
 妖之佑にとっての『ルパン三世』は第一期を筆頭とします。
 あえてランキング的に並べれば、

 第一期>カリ城>マモー>>風魔一族>近年のTVSPや劇場版群>第四期>>>越えられない壁>>>第二期>パート3>バビロン>峰不二子
(※ 『緑と赤』は観ていないので、ここに入れられません。悪しからず)

 となります。
 ただ、パート3は、すべて観たわけではなく、あの珍妙な色遣いで観る気が失せたというのが実際です。劇場三作目の『バビロン』に近い印象を、妖之佑は受けたものです。ですので、パート3に関してだけは正当な評価をしておりません。TV局の扱いも酷いものでしたし、不運な作品だったと言えるかもしれませんね。でも、あらためて観たいとも、どうしても思えないんですよ(苦笑)。

 もちろん最も長く制作されたのは第二期であり、それは視聴率が良かった証拠なのでしょう。
 それでも妖之佑は第二期を限りなくゴミに近い作品群だと思っています。いや、ゴミと言うよりゴミ箱ですね。ガサゴソ探すと、まともな物も中に紛れているから(照樹務演出の二本以外にも、いくつか面白い物があるにはあった)。

 第二期のどこがゴミなのか?
 簡単に言いますと、ルパンがドラえもんにしか見えないということ。
 第一期のルパンは難関に対して創意工夫と持ち前のアドリブ能力で対抗します。アイテムもほぼ手作り。
 ところが第二期のルパンは毎回毎回、超便利アイテムを使ってしまうのですよ。しかもそれらの大半は、その場に特化した汎用性のないビックリドッキリ品。
 例えば第二期でルパンがよく乗っていたアルファロメオのグランスポルト・クアトロルオーテは敵の銃撃を平然と跳ね返し、水中にも潜ってしまう、ほとんどボンド・カーでした。対して、第一期前半で活躍したメルセデス・ベンツ・SSKは、エンジンこそ換装してあるものの、撃たれればガラスが割れてボディに穴が開く、ぶつければ凹む、五ヱ門に斬られたことも(笑)、もちろん潜水艦行動なんてできゃしません。
 第二期には鉄道駅に偽装したトレーラーってのもありましたね。あれ、第一期のルパンなら演劇舞台の背景みたいな写真か絵で済ませますよ。つか実際、済ませてましたよね、現金輸送車を丸ごと盗んだときや、タイムマシンを相手にしたとき♪
 他にいくらでもありますが、こういう違いというか落差が、第二期に魅力を感じなかった理由なのです。

 あんまり「第一期、第一期」言うと、円谷の『ウルトラ』同様に「第一期原理主義者」と呼ばれてしまうかもしれませんね。
 まー別に、見る目のない阿呆どもから何と言われようと気にはなりませんが。(藁

 そんなわけで。


 『LUPIN THE 3rd THE COMPLETE FIRST TV SERIES』
 『LUPIN THE 3rd THE COMPLETE FIRST TV SERIES』
  EASTERN STAR ES034


 ご覧になってお判りのとおり、TVアニメ『ルパン三世』の第一期を収録した、四枚組DVDです。正確には、第一期および、それに先だって作られたパイロット・フィルムの2バージョンとが収録されています。
 これもご覧になってお判りでしょう、国内品ではありません。北米からの輸入盤です。日本語音声&英語字幕&英語のオーディオ・コメンタリー。もちろん字幕は消せますしコメンタリーはサブ音声ですので、何の違和感もなく視聴できます。

 ただし。
 ここで一点、重要な注意事項があります。

 北米版のDVDと申しました。
 ご存じのかたなら、すでに「あれ?」とお思いでしょう。
 日本向けのDVDは「リージョン2」であり、北米は「リージョン1」。この二つに互換性はありません。ないはずなんです。そう業界が仕掛けているのですから。
 で、実際、このパッケージにも「REGION 1」と明記されています。
 でも、妖之佑のプレーヤ……と言うか HDD/BDレコーダで普通に再生できました。もちろん取説には「リージョン2」とありますし、何も改造とかしてません。家電店で買ったままの状態です。不思議です。

 実は、久しぶりに第一期を観たい(LDしか持ってねーからサー)と思いつつ Web で調べに調べたところ、↑の現象(笑)が報告されたブログを多数見つけたのです。で、某尼に飛んだところ、商品レビューにも同様の報告が多々。
 なので、価格の安さを頼みにダメ元で買ってみたのでした。

 結果として観られましたが、だからと言って人様に積極的にオススメするまでの勇気はございません。

 それでも、オススメしたいのは、この北米版は日本国内版のDVDより画質が良い、ということが理由にあります。いえ、妖之佑が直に確認したわけではなく、これまた画質を比較したブログがあり、その差に愕然としたのでした。
 国内版より画質が上で価格が下。言うことないじゃありませんか。
 ちなみにBDの場合は「キャラの顔が静止画みたく止まってしまい口だけが動くため、気持ち悪い」という報告もあります。セル画をフィルムに焼いた古い作品であることを考えれば、BDの高画質スペックは余計。むしろDVDの“いい加減さ”が、作品画質との相性として、良い結果を生んでいる。と言えるのかもしれませんね。

『ルパン』第一期に興味のあるかたには、お高いBD箱ではなく価格の安い北米版DVDという選択肢もあるよ、ということを申し上げたいのです。
 少なくとも妖之佑は満足しています。はい。

 なお、念のため。
 基本的に、リージョン1の北米DVDは、日本国内向けの再生機では再生できません。再生するにはリージョン1に対応した再生機が必要です。
 リージョン1のDVDをリージョン2のプレーヤで再生できた↑の『ルパン三世』は、あくまでも例外である。ということだけは理解しておいてくださいませ。なので、同じ品番を買っても再生できない可能性は、あるのです。
 大事なことなので二度言いました。