半夏生 (旧暦 閏皐月九日)

 自分、キン肉マンの「火事場のクソ力」が嫌いなんですよね。伝家の宝刀みたく最後にこれ出したらOK、ってのが便利すぎてね。
 圧倒的ラスボス、ザ・サードを相手に、キーワードである「男の根性」も、そういう使いかたをされるんじゃないかと危惧していたのです。

 しかし、安心しました。
 最初の横方向の虎ばさ……もといっ、タイガーファングからの流れでの腕殺し。これがあったからこそ、サードのサクリファイスが充分に決まらなかった。ゆえに「男の根性」も生きた、と。
 タイガーが冷静にきちんと試合を組み立てていたからこそですね。
 いきなり必殺技を出しても決まるはずがなく。まずは敵のHPを削ることに徹する。
 そしてまた、相手の必殺技を封ずるには、どこかを痛めつけるのが一番。
 定石の試合運びです。
 最後のタイガーファングがまた、えぐかった。サードの顔、へしゃげてましたからね(笑)。

 意外なことでしたが。
 モノポリーのレフェリーもアナウンサーも実にフェアでした。だけに、あの人たちの今後の仕事が心配だよ。「あんたも大変だね」って。

 あれこれと巧みに回収したものです。というか、きちんと設計図を描いていたということですね。
 タイトルの『W』。あれを「二人のタイガー」と視聴者にずっと思わせてきて、最後にあのキカイダーみたいなマスクで「W」だと。やられました。番宣のタイガー正面図がキカイダーだったのも、てっきり二人を描いたものだとばっかり……やられまくってますね。
 ずっと「最強の虎は、おれかおまえか」だったのが前回、ダークの共闘から「最強の虎は、おれとおまえだ」に変わってるあたりも本当に上手い。
 自分が気づいた伏線はOPの二人のキックだけでしたからねー。それも終盤になって、ようやく。(;^_^A

 タクマが出番を、あっさりナオトに譲るあたりは少し疑問ではありますが、それだけタクマが大人になっていたということで納得しておきます。
 内藤選手の後押しも、まあご愛敬ということで♪
 オカダ選手にも、しっかり見せ場があって良かったです。あのレインメーカーはド迫力。
 ミラクル1の素顔が出なかったのは残念でした。てっきり、登場済みの誰かだと思っていただけにね。
 ミスXは、いろいろ思うところがある様子で。ミスターXにタオルを渡したあたりで、もう決めていたかもですね。

 実力的にはサードとWには、まだまだ大きな差があるとは思います。
 が、団体の命運を賭けての大一番で、よりにもよってレフェリー・ストップの敗北は、虎の穴としてのダメージがデカすぎる。
 魔神像に絡むツタは、近い将来の姿なのでしょう(初代タイガーに初代グレートが敗れたときは、魔神像の倒壊する図でした)。

 エピローグも、どストレートで。
 女を置いたまま日本を旅立つヒーロー。いやー、昭和昭和♪
 空港に女性陣大集結の中にケビンがいたのには爆笑。あいつ、最後まで乙女だったな。
 ミスXは春菜に何を依頼するのやら(まー予告編で、ほぼネタバレですが)。

 ナオトの「メキシコのつて」ってのがサボテン親子だとは察しがつきますが(村興しのとき、誘われてたからね)。
 タクマの言ってた「アメリカのつて」が、まさかのオーディンさん! え? ロボットに足の骨を砕かれたと思ってたのに復帰してる? つか、あのヘル・イン・ザ・ホール脱出時に連絡先交換してたってのがメッチャ微笑ましいです。こりゃ、じきにケビンも渡米するかも。
 これからは二人のWが世界を股にかけて暴れ回る、と。

 オカダ選手×飯伏選手のカードは、例の件がらみですね。声も真壁さんに続いて本物♪

 大助さんも近いうちに復帰しそうですね。
 そうなったら、シレっと三笠がすり寄ってくるのかな?

 ふくわらさんがタイガーマスクの遺産を使わせてもらうのは、たぶん本人よりも後進のためじゃないかな。虎の穴が崩壊しないまでも弱体化必至なので、路頭に迷った若手の受け皿になろうということなんじゃないかと。
 拳太郎に言った「先輩」というのは、やはり初代イエローデビルに対してのものであり、虎の穴を足抜けした先輩の意味もあると思われ。つか、ふくわらさん、拳太郎の正体を知ってる? おそろしい情報網ですな。
 まあ、あそこは焦って誤魔化さずとも、普通に「レスラーの先輩」で良かったと思う。イエローデビルは置いといても、ケン高岡だったんだから。

 そして次回、おまけ回。
 これまた楽しみでなりません。

 総評は、そのあとで。





 あ。

『AZX』第一話、観逃した。orz