(旧暦 如月丗日)

 セガの『シェンムー 一章 横須賀』にて。
 父の仇敵を追うべく香港行きを目指す涼は、少しでも出費を減らすために、ドブ板の人たちからよろしくない噂を聞きつつも胡散臭い旅行社に格安チケットの手配を依頼します。当然、カネだけ取られてチケットは手に入りません。怒った涼とのゴタゴタの末、その旅行社は店を畳んでトンズラという顛末。そして文無しとなった涼は、そこからの活動資金を得るために港でバイトすることになります。

 涼は出発前どころか旅の準備すらしてませんから、その程度で済んだと言えるでしょう。
 旅先で予定していた宿からチェックインを拒否され、帰路の座席もままならぬ人々は、生きた心地すらしていないでしょうね。

 お気の毒ではありますが。
 安いのには理由がある。
 ということが明確になった事件であるとも言えます。

 すべての格安旅行社がそうということは、さすがにないでしょうが。
 例の旅行社は、ギリギリまで予約受付をしていたうえに、予約現金一括払いのキャンペーンまでやっていたと言うじゃありませんか。倒産が目に見えている段階での、その姿勢は、少しでも現金かき集めて逃げる算段だったと批判されても仕方ないと思いますよ。いや、物理的に逃げてなくても、破産手続きに入れば、それは民事責任からの“逃走”に他なりません。あの偉そうな弁護士は「返金できるとしても1%ほど」と平然と言ってのけましたからね。三十万円払った予約がダメになったのに返してもらっても三千円ほど、って何の冗談ですか。予約客から集めた大量の現金は、どこに消えたんですか?

 そう言えばね。余談ですがね。
 高額課金アイテムの半額セールを大々的にやった直後にサービス終了を告知したネット・ゲームを知ってますよ。て言うか、プレイしてましたよ。
 もちろん返金なんて、ありゃしません(オイラは、そのセールでは課金してなかったけどな〜)。

 個人的な考えですが。
 お金が足りなくて海外旅行できないのなら、海外旅行できるくらいにお金を貯めるか、あるいは海外旅行そのものを諦めるべきです。
 リスクのある海外ゆえ、断じて格安に頼るべきではないと思います。下手すると帰国は棺の中、なんてことも最悪ありえますからね。
 予算不足なら国内旅行にすればいいと思うんですけどね。海外への飛行機代分だけでも、国内旅行ならけっこう良い旅館に泊まれそうじゃありませんか。
「どうしても海外でなければならない」なんて理由のある人って、そんなにいないんじゃないのかな。ほとんどは「何となく」行きたい外国を思い描いているだけで。