伝える側より、受け取る側の頭の出来が問題。

 巷で『ガッテン』のポカ(?)が話題になっているようですね。
 あの回、妖之佑も観ましたが、そこまで怒る内容か? と思っています。
 あれって、要するに「睡眠不足は血糖コントロールに悪影響があるから、きちんと睡眠時間を取りましょう。睡眠障害のある場合は睡眠薬も選択肢に入れましょう」という内容でしょ。
 あの番組を観て「睡眠薬は血糖コントロールの特効薬だ」と解釈してしまう視聴者の頭が短絡的すぎますよ。
 豚野郎は「睡眠不足は良い仕事の敵だ」と言ってます。
 林先生は「僕を含めて東大に受かった人は、きちんと睡眠を取っている」と言ってます。
 そういうシンプルなことを言っていただけなのですよ、あの回は。
 番組を痛烈批判している医師たちは、それこそ短絡思考の視聴者同様、一部しか観ていないと思われ。専門家を名乗っていながら、そんな姿勢は滑稽ですね。
 問題があるとすればテロップくらいかな。ちょっと憶えてませんが、もしも「睡眠薬が糖尿病に効く」とか書いてあったのなら、それは文面が端折り過ぎてる。ただ、テロップのまちがいなんて、同じNHKのニュース番組で、ほぼ毎日やらかしてますからね(爆)。「訂正してお詫び」すればいいレベルではないかと。



 似たような騒動が、ちょい前の『鑑定団』でもありましたね。超高額鑑定のついた天目茶碗が、番組を観ていた専門家たちから「あれは偽物だ」のシュプレヒコールを受けまくったとか。
 妖之佑は石坂さん降板以降、番組そのものを観ていませんから、鑑定結果の是非については何も申しませんが。
 そもそも、現物を直に見た鑑定士に対して、TV画面でしか観てない触れてもいない人たちが、そこまで断定的に言えるものなのか、騒動の当初から疑問を感じていました。何と言いますか、鑑定依頼人によくある「美術館で見たのと同じだから、これはきっと凄い物だ」とか「美術本に載っていたのと同じだから、きっと国宝級だ」とか期待満々が一転、鑑定結果に愕然呆然とするケースと、TVを観ただけで「偽物」と断定している専門家の先生様たちとが被ってしまうのですよ(笑)。
 一部報道では、専門家たちが「偽物だ」とする根拠の一つが化学調査によって潰れたそうで。これで即、真贋が確定したわけではないでしょうが、それでも批判していた専門家たちは語るに落ちたと言えるでしょう。
 だいたい、TVだけでなく写真だってそうですが、レンズってやつは対象を正確に写しませんからね。被写体は写しかたで、どうにでも変わる。照明の角度だけでも変身してしまう。
 液晶画面を観ただけで現物を見ていないのに、偉そうに決めつけないことです。でないと「専門家」としての資質を疑われますよ。今の状況では、ビール片手にTVの野球中継を観つつ監督の采配にダメ出しする素人オヤジと同レベルだからね。


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 NHK『ガッテン』が公式に謝罪文書を掲載しましたね。
 そこまで詫びんでも、とは思うものの、当該者が非を認めたのですから、それでいいでしょう。

 でも、「自分に都合の良い部分だけ切り取って勝手に解釈する側のほうがバカだし傍迷惑だ」という妖之佑の考えは変わりません。
 例えば、みのもんたさんが「ココアが体に良い」と言っただけでココアが売り切れになる日本の国民性こそが、正すべき歪みだと思いますよ。
 入ってきた情報は、いっぺん自分の中で噛み砕こうぜ。何のために脳味噌があるんだよ?