望、己巳、上元 (旧暦 睦月十五日、小正月)

 先日のこと、久しぶりに地元の本屋さんに行ったのです。
 昔はしょっちゅう通っていたのが、妖之佑の生活パターンが変わったことで疎遠になり、たまにしか足を運ばなくなった本屋さんです。
 でも、田舎なのに立派な本屋さんで、売り場面積もあり、何より在庫内容がかなり豊かで、使うに便利でありがたい本屋さんです。

 が。

 いきなり「閉店」の文字が迎えてくれました。まるで、久々に「レストラン アトム」を訪れた五郎さんのようにショックを受けました。
 ああ、まだ閉店はしていません。近々、閉店するということ。

 長年に渡り地元にしっかり定着した書店であり、↑でも触れたように、在庫が豊富で、無理に某県庁所在地に赴かずとも、たいていのことなら間に合う店でした。
 なかなかないんですよね、田舎の書店で、ちゃんと専門書や専門誌を並べてくれる所って。いや、本当に。さすがに丸善にはかなわないものの、三省堂や星野あたりには勝ってる部分がありました。嬉しいことに文具コーナーも充実していて、かなり専門的な用具も並んでましたし。
 同じく地元にデンっと店を構えている某レンタルビデオ的有名書店チェーンなんて立派なのはフロア面積だけで、本棚の内容は、ただただ駅の売店にある書籍コーナーを桁違いに広くしただけ。一度入ったけど、目的の専門誌どころか、同ジャンルの雑誌にロクな在庫がありませんでしたよ(もちろん、すべてがそうだとは言わないが、少なくとも妖之佑が入った店舗は酷かった)。あんなのが書店を名乗るなんて社会迷惑、犯罪行為にすら匹敵します(爆)。そんな所が図書館運営するなんて言うから、そりゃ地元の人たちが猛抗議するに決まってる(藁)。
 ……おっと、脱線。

 そんな良質な書店ですから、まさか閉店するとは夢にも思いませんでした。

 これは妖之佑自身、反省するところが多いですね。
 ↑でも言ったように生活パターンの変化で疎遠になったこともあるとは言え。
 某県庁所在地の大型書店でも目的の本が見つからず、それが度重なったことを契機に、ついつい某大型ネット書店に頼ってしまう自分がいますから。探すのも検索一発ですし(おかげで、実店舗の本棚で本を見つけるスキルが、かなり劣化したよ)。
 妖之佑一人のことなら影響もないでしょうが、民衆の流れがこうであれば、そりゃジワジワ来ますって。一番威力の弱い武器でも命中率が高ければ、むしろ強力な武器よりも確実に敵機を倒せるんですから(何の話や)。

 ネット通販の台頭と、あと↑にも書いたような売れ筋にのみ力を入れる大型チェーン店の展開と、ですね。
 その動きにお客が乗せられた結果、真面目な本屋さんが店を畳むことになる……後悔先に立たずです。orz

 専門書だけでなく、文庫本、コミックもよく買ったよな〜。
『ルドルフ』シリーズも、ここで買ったし。とあるまあるいおかたの本も、ここで。
 そして雑誌の立ち読みも、よくさせてもらった(笑)。

 本当に残念でなりませんし、一人の利用者として他店に浮気したことに申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 せめて、閉店前にもういっぺん、行ってこようかな。