(旧暦 神無月十八日)

 若松戦で見せつけた圧倒的パワーと、タイガー戦でもゴング前の反則攻撃から、かなり良い感じだったんですが。
 逆十字かけられただけで形勢逆転というのがね。試合が終わってみれば何という小者臭……。
 ブラック・パイソンと言いレッドデスマスクと言い、ついでにダークにドラム缶潰して見せたヒゲオヤジと言い。
 どうも、GWM(虎の穴)のレスラーたちは攻撃力がかなりあるものの、とにかく打たれ弱すぎる。育成で「ATK」に極振りパラメータ与えたキャラみたいだよ。かつての虎の穴では考えられないほどに脆い。脆すぎる。
 先代の赤き死の仮面は初代タイガーをギリギリまで追い詰めた。それがタイガーの生存本能に火をつけてしまい、凶悪で残虐な反則の逆襲で沈められたわけですが、決して小者ということではなかった。単に、ブチ切れたタイガーが殺す気満々で赤き死の仮面に襲いかかったというだけのことです。リングサイドのテーブルを使った反則なんて、今だと作画できないかもな(笑)。
 せっかくのレッドデスマスク戦、もう少し引っ張って盛り上げても良かったように思います。

 で、GWMが一旦、静かになって節目。息抜き回が少し続くようですが。
 ふくわらマスクの中身は、ちょっと判りにくいですが、三年前にジパングプロレスを興行名目で壊滅させたGWMチームの一人、ケイジ・タナカですね。顎髭、眉、額の形が同じです(もっとキャラデザを目立つようにするとか、第3話でタナカの見せ場をもっと描くとかすればいいのに、不親切だなぁ演出)。
 三年の間に全身傷だらけになる出来事がありGWMを抜けたのか、あるいは抜ける際に傷を負ったのか。とにかく、お客を愉しませるというプロレスの本道に目覚めたということかな。控え室でタイガーにかけた台詞、「あんたの試合は、なんかピリピリしてる」が、その本心を表しているのでしょう。
 この、ふくわらさん。プロレス好きのかたがたによると、実在するコミカル系レスラー複数からパーツを借りて作られたキャラだそうですが。妖之佑の視点では、『子連れ狼』の一エピソード「半畳 壱畳 貳合半」のゲスト・キャラ、刺野左近に被りました。
(以下はネタバレなので反転しておきます)
 左近は「首売り」という風変わりな大道芸で、その日暮らしをする浪人。刀や槍など、いろいろ用意した武器の使用権を一振り、または一突き十文程度のビタ銭でお客に売り、それで首をはねられても叩き潰されても文句を言わない。もちろん、ただ斬られるわけではなく、下手クソ相手なら軽くかわす、少しできる相手なら白刃取りで止める、そうやって自称腕自慢たちをカモに小銭を稼いでいた。もちろん、これは相当の手練れだから可能な芸であり、たまたま通りすがりの拝一刀は一目で左近の力量を見抜く。左近も見物している一刀の正体に気づき、あれこれあって呑みながら話をすることに。その会話の中で、殺伐とした武士の生き様が嫌になり気楽な乞食道を歩んでいると明かす。そして一刀にも「刺客道を捨てられよ」と言い、もちろん一刀は拒否。その結果は…………。
 ふくわらさんが今後、タイガーとどう関わってくるのかは判りませんが、↑くらい深いものであってほしいと今から期待しています。きっと今回のは軽い伏線で、後で重要なポジション(旧作のミスター不動あたりの立ち位置か?)で再登場するのでしょう。でないと「謎」などと大層な銘を打った意味がなくなりますから。
 そう言えば、あのときのGWM側選手でオーディン以外は表舞台から姿を消したんだったよな。で、タナカが足抜けしたとすると……他の連中にも何か大きな出来事があったのかもしれないですね。

 で…………何と申しますか。
 ハムとうどんは意味不明すぎました。
 要するに企画物のカオス回だったらしく。
 にしても、そんな無駄遣いするほど尺に余裕あるんですかね?