中元 (旧暦 文月十五日、盂蘭盆)

 対戦相手を反撃不能の体勢にもっていく、その技術を競う。
 柔道とレスリングは、この点において似たもの同士な種目だと思います。

 なのに、レスリングは観て面白く、柔道……と言うか JUDO はどうしてもつまらない。

 これは。
 レスリングには明確なポイントの設定があるのに対し、JUDO は設定が曖昧で審判の主観でポイントが決められる。
 という違いによるものだと思います。
(て言うか、そもそも柔道ってポイント競うものじゃないですからね。一本取るまで勝負が決まらない格技ですからね)

 レスリングにも「ピンフォール」という柔道の「抑え込み一本」に相当する一発勝利のルールがありますが、基本的には地道に点数を稼いで得点の多いほうが勝つ競技です。
 そして、その点数について明確で具体的な規定がある。相手の後ろを取る、相手の体を一回転させる、投げる、などなど。具体的なので審判の主観でブレる危険性が少なく、よって公正な試合運びとなり、同時に観戦者にも判りやすい。

 対して JUDO はどうでしょう?
「有効」だの「効果」(これは廃止されましたが)だの、いちおう規定はあるものの、政治家や役人の答弁みたく曖昧な表現なので、けっきょくは審判の解釈次第で胸三寸。
 それどころか「一本」ですら、尻餅ついた相手を強引にグイグイ押して背中をつけてグルリと回したら一本って……あきれて物も言えません。以前は JUDO を誤解している審判がいて、寝技を一切させずにすぐ「マテ」を出す主審も多かったですし(ために、寝技得意の日本選手が極めて不利だった)。とにかく酷いものです。
 今大会では比較的、寝技も見るようになっていますし、何より灰色ジャッジ代表格な「旗の判定」が廃止されたことは大きいです。が、それでもポイントについての規定が曖昧なことに変わりなく、あいかわらず意味不明な有効が乱発されてますね。消極性に対する「指導」を出す相手をまちがえている判定も少なくない。
 JUDO を公正に、しかも観て判りやすい競技とするためには、もっともっと具体的な規定が必要だと思います。もともと寝技は具体的なのですから、立ち技でもできなくはないでしょう。それが「柔道」と言えるかどうかはともかく、国際競技としての公正さが得られるなら、改善と言っていいのではないかと思います(つか、五輪種目になった時点で柔道でなくなってるってば)。

 今のままでは、JUDO はレスリングに勝てないですよ。

 ポイントを競うという点では、柔道よりも剣道のほうが、よほど国際大会向けだと思います。攻めるべき的が面胴小手に喉の四箇所と明確ですからね。
 とは言え、フェンシングがあるので、剣道の入り込む余地は、ないでしょーなー。(;^_^A