上弦 (旧暦 文月九日)

「海の日」があるんだから「山の日」も。
 これが、まともな知能を持った者の発想であるはずもなく。
 日本の役人と政治家が低脳で構成されている証拠の一つでしょう。

 そもそも祝日とは、その日付に深い意味があってこそ。
 元日や天皇誕生日は言うまでもなく、成人の日は元々の小正月建国記念の日は右派や極右が大喜びする紀元節、こどもの日は端午の節句、体育の日は昭和に行われた東京五輪開会式の日付……などなど。
 それが「ハッピーマンデー」導入で意味不明となり、「海の日」制定で権威を失い、今年からの「山の日」で低俗にまで墜ちた。

 つーかさ、八月のお盆直前に祝日が必要か? 要らんだろ?
 学校は夏休み中だし、企業も盆休みに入るか入らないかのタイミングだし。関係有るのが役所と銀行と郵便局と病院くらいだけど、ここらはむしろ盆の休み中、開いていてくれたほうが一般市民としては助かるので、どっちかと言うと祝日がないほうがいいくらい(勤務しておられるかたがたには気の毒ですが……)。

 どうしても八月に祝日を、と言うなら「月遅れの盂蘭盆」、すなわち盆休みを置いて他にないでしょ。
 これほどに日本に定着した日付を無視して新たな、そしてほぼ無意味な祝日を設置するって、正気の沙汰とも思えません。
 そもそも、お盆は年末年始と並んでの日本民族大移動の時期です。ゆえに、カレンダーと無関係に各企業が連休を設けるのも共通。年末年始に至っては「官庁御用納め」→「官庁御用始め」として正式に役所が連休を取ります。
 なら、お盆も 15日を祝日として、その前後を官庁自ら連休にすればいいと思います。無理に「山の日」なんて作るより、よっぽど洒落てますよ。

 七月もね。
「海の日」なんて作るくらいなら、七夕を祝日にすればいい。
 一年に五回(だったかな?)ある節句のうち、祝日になっているゾロ目は一月一日(※)と五月五日の二つだけなんですよね。他の三月三日、七月七日、九月九日は祝日法では無視されます。歴史も伝統も根拠もない祝日をムリクリでっち上げるくらいなら、この三つを祝日にすればいいと本気で思いますよ。

 まあ、ハッピーマンデー制度が始まって以降、役人と政治家は祝日の意味を完全に見失ってますから、どーしょーもないんですけどねー。
 にも関わらず「祝日には各家庭でも国旗を掲揚しましょう」とかって平気でほざく。
 ホント、バカばーっか。



※ 現実には一月七日が節句なのだが、真意としてはゾロ目の一月一日。ただ、元日の持つ意味合いがたいへんに大きいので、節句を七日に移動させた。ということらしい。