壬生狂言 (旧暦 弥生廿三日)

 前回の感想で「イケメン武士ウザイ」と言いました。
 が、あんな状況では、ああするのが正解なんですよね。ただ、視聴者は主人公視点で観ているため、どうしても武士側の石頭さ無能さが目立ってしまう。
 でも本当なら、あんなバケモンに対しては「疑わしきはクロ」で行かないと全滅します。まちがいなく。
 それでも、例えばあの停車中にカバネの群れにでも取り囲まれたら、きっと連中は二人に言いますよ。「奴らを止めろよ! おまえらカバネリなんだろ!?」と。で、二人が闘うために降りたら、さっさと発車しますね。もしも二人が乗れたら乗れたで、もう用済みとばかりにまた「降りろ」と言い出すことでしょうし。ベムベラベロの三人組や百鬼丸がいつもいつも助けた連中から受けていた仕打ちですね。

 未知であるゆえ無謀な策ではあるものの、あの中にカバネリを有効戦力として考える者が一人もいないのは不思議っちゃ不思議なんですよね。気に入らなくても利用することはできるはず。
 その代わりに、どうもカバネリについて知っており、早めに排除しようとする者は、いるようで(雑魚どもを扇動していた奴、いましたよね。あれは何かしらの事情を知っている者の目だった)。
 無名の口ぶりから、幕府はカバネリについて承知してはいるんでしょう。

 相手が相手ですのでギスギスして当然のやりとりではありますが。
 今後も「二人を降ろせ」「降りない」という同様の展開が続くとなると、さすがに飽きます。そろそろ「転」が欲しいですね。その「転」のきっかけが、あの気の毒な妊婦さんなのかどうか。
 て言うか、あきらかにカバネなのに「赤ちゃんがいるのよ!」って、無名を止める理由が意味不明です。それとも、胎児は無事という実例でもあるんでしょうか(ご存じのとおり、妊婦と胎児の血液は決して混ざらないので、胎児がカバネに感染していない可能性はある)。にしても、やっぱり潜伏期間の描写がムチャクチャですね。個人差ですませられるレベルなのかな?

 ところで。
 カバネはハリウッド型ゾンビだと思っていたのですが、どうやら吸血鬼のようで。人を襲うのは生き血を求めてのことだったんですね。
 で、カバネリも体はカバネなので生き血を必要とするって、また厄介な……ったく、ダンピールかよ。
 あの社会に輸血用パックがあるといいのですが。まあ、無名がいるんだから、何とかなってるんでしょう。