(旧暦 神無月廿三日)

『所さん!大変ですよ』

 住民票を悪用した犯罪って……怖すぎます。

 この事件にて、役所が偽の異動申請を受理してしまったことに対する、みっともない言い訳(責任転嫁)をする際、役所の人がデタラメ言ってました。

「運転免許証は国が発行した身分証明書なので、これを出されては申請を受けないわけにはいかない」

 はい。
 間違い探しをしましょう。二箇所ありますからね。










 一つ。
 運転免許証は国ではなく、各都道府県の公安委員会が交付する。

 二つ。
 運転免許証は「自動車や原付の運転を許可されている」ことの証明書に過ぎず、身分の証明を目的とするものではない。

 役所の職員がNHKの取材に対してこんなマヌケたコメントするようでは、ガードがザルなのも当然かもしれません。
 本当に困ったものです。

 そもそも、窓口での本人確認を厳格にしたところで、郵送による申請が可という時点でザルすぎです。
 一見すると頑丈そうな鎖であっても、その実、一番弱い箇所の強度が鎖全体の強度でもあるということを知らないのかな?

 本人の知らぬ間に住民票を異動、犯罪に使われる例は以前からかなりあると聞きます。
 が、役所の対応は常に後手でザルです。なにせ役所の誰も責任を取りませんからね。

 そもそも住民票に力を与えすぎなんですよ。さもなくば、住民票の取り扱いが雑すぎるか。
 力を与えるなら、閲覧にすら煩雑で厳格な手続きを要するようにする。
 あるいは、容易に写しを取れる代わりに、何の効力もない書類へと格下げする。
 このどちらかしかないと思いますがね。

 あと。
 会員登録や就職面接などなどにて、免許証のコピーや住民票の写しを提出させること自体を法律で禁止すべきだと思います。提示のみで用件は足りるはずですから(警邏中の警官だって「免許証の提示」までしか求めることができないのだよ)。

 マイナンバーの運用が始まったら、もっと被害が増えるんでしょうねぇ……。
 こちらも、会員登録だの面接だのでのナンバー提示を求めることそのものを違法にしてほしいですね(いや、絶対に出てくるから、そういったケース)。



 それにしても相変わらず投げっぱな番組ですね。
 問題提起するクセに具体的解決策対応策を示さず、ただ「注意しましょう」って。
 この番組では、所さんもただのご隠居状態で、観ていて不愉快にすらなる……。