望、下元 (旧暦 神無月十五日)

 白熱球や蛍光灯の製造・輸入を政府が実質禁止する方針だそうな。

 またバカやってますね、幼稚な安倍政権。

 これが危険物質を使用した品とかであるなら製造禁止の措置は理解できるし当然のことだと思います。オイル・コンデンサやトランスに絶縁体として使われていたPCBや、防火用の石綿などが代表的な実例でしょう。
 が、白熱球も蛍光灯も毒物など使ってはいない。にもかかわらず政府が禁止って……これが民主主義で資本主義で自由経済な国家のやることですか? 信じられません。

 温暖化防止のためと言えば聞こえはいいですが、白熱球と蛍光灯を禁止することで本当に熱の排出量が減るとは思えません。減るとしても微々たる量、誤差の範囲内でしょう。
 むしろ、すべてを LED電球に切り替えることで“電気の球”の価格が大幅に上がる。このことによる弊害のほうが大きいと思います。
 大手メーカーが製造をやめたことで白熱球の総数は減ってきてますよ確実に。また、新たにスタンドやペンダントを買う人は蛍光灯でなく LED を選択するでしょう。このままの自然な流れで減らせばいいじゃありませんか。で、絶滅せず少数派として生存し続けるのが健全な文化社会です。
 それをわざわざ禁止だなんて、愚かしいことを。
 
 こんな暴挙を許せば、次は何が犠牲になるか恐ろしい限りです。
 真空管や旧型車などは真っ先に槍玉に挙げられることでしょう。何せ日本の政治家と役人は文化を理解するセンスが決定的に欠けていますから。
 そのうち蝋燭や七輪やコンロ、石油ストーブも禁止されるかもしれませんね。炭焼き小屋も廃止、薪割りも禁止、陶芸は電気窯のみ許可、新築の家屋はオール電化しかダメ。最終的には内燃機関も廃止かもしれません。

 白熱球の温かな光も消え、ケーキにローソクを灯すこともでぎず、往年の名車を転がすことも禁止され、秋刀魚を炭火で焼くことも叶わず、薪で焚いた風呂にも入れず、美味しいご飯を炊けなくなった料理人や登り窯を使えなくなった陶芸家たちが廃業する。
 想像してみると、とんでもなく味気ないですね。

 日本版“文化大革命”の序章が始まるのです……。