(旧暦 長月七日)

 麻生が財務省の声として「税率が複数あるのはめんどくさい」などと、ほざいたそうで。
 安倍以上に脳にカビでも生えてないか?
「めんどくさい」という言葉は「仕事をしたくない」という意味ですよ。財務省という専門家集団が専門的な仕事を「したくない」って、それをトップである財務相が口にするって、ひどすぎます。専門家は一般の人では難しいことを扱うからこそ、専門家としての報酬を得られるのです。それを「めんどくさい」って、まさに給料泥棒、いえ公務員ですから税金泥棒ではありませんか!

 そもそも消費税率が複数あっては、ならないのでしょうか?
 そんなはず、ありませんよね。

 だってサー。

 物品税時代には、ちゃんとできていた。

 のですから。
 ご存じのとおり、消費税というのは平成元年の四月から導入された間接税です。
 で、ご記憶のかたも多いでしょうが、それまで日本の間接税は物品税を筆頭に多岐に渡っていたのです。
 例えば。

 一定額を越える外食(ボーダーラインは忘れた)。
 映画などの鑑賞チケット。
 一定サイズを越えるTV受像器(ボーダーラインは忘れた)。
 Hi-Fi オーディオ機器(組立キットやパーツなど未完成品は除く)。
 トランプ(子供向け玩具トランプは除く。『こち亀』で両さんは、だから子供用トランプしか使わないって♪)。
 宝石、毛皮、自動車……等々、等々。

 課税対象をいちいち挙げていたらキリがありません。
 しかも、上にも書いたとおり、子供向けや未完成品などを非課税にするといった、きめ細やかな取り決めがなされていました。
 例えば、オーディオ・メーカーは、この制度に合わせて同一機種を完成品とキットと併売していました。キットのほうが非課税なので大幅に安く提供できるということ。レコード・プレーヤをターン・テーブルとトーン・アームと、それらを設置するベースとに分けて販売してたり。スピーカ・ユニットと専用箱も、パーツとして別々に買えば同じ物が非課税になったので、昭和は特にスピーカの自作派が多かったのですよ。あのテクニクスオンキヨーヤマハなどは、今でも続いているフォステクス同様に、スピーカ・ユニットのメーカーとしても大人気でした。

 税制が贅沢品と、そうでない品とを(完璧ではないものの)きちんと区別していたのですね。

 昭和にできていたことが、平成ではできない?
 それは政権が、昭和の先輩諸氏に比較して自らを無能だと公言しているのと同義なのですが。
 そんなことも自覚できないほど、今の政権は阿呆揃いなのでしょうか。
 まあ、安倍政権が幼稚であることは判りきってはいますがね。おまけに、取り巻きの“おともだち”も幼稚なのでは救いがありません。

 ですが、それでは私たち市民が迷惑するばかりです。
 一番腹立つのは、そんな幼稚で無能な連中に政権を委ねた有権者どもに対して、ですけどね。



 なお。
 さらなる消費税率アップを目論む連中が常に増税の根拠とする「欧米では、もっと消費税率が高い」という台詞ですがね。
 その欧米で導入されている軽減税率や非課税品目。あれのルーツが、実は日本の物品税制度なのだそうですよ。
 つまり消費増税派どもの言い分は、その出発点からして論理崩壊しているのです。欧米を見習うというのなら、今すぐ物品税に戻すのが当然なのですよ。平成の知恵を駆使して、昭和の当時に言われていた欠点弱点を修正した“物品税 ver.2.0”にすればいい。

 でも、やらないんだよなぁ。
 理由は簡単。一律税率のほうが役所の仕事が楽で、しかも金持ちほど得をする制度だから。

 奴らが「金持ち優遇政策に徹する」と本音を言ってくれれば、労働者層も目を覚ますと思うのですが(なんかね、TPP関連で内閣支持率が回復したとか聞いて、日本の有権者の尻軽さを悲しく感じてますよ)。
 そういった本音を白日の下に晒す役目のマスコミが、よりにもよって政権に日和ってる現状というのは危険すぎますね。