カードを切るタイミングが悪いってヤツでしょう。

 エンブレムの撤回なんて、もっと早くすべきでした。
 ここまでグダグダにしてしまってからでは「粘りに粘っていたのが、ついに詰んだので仕方なく渋々撤回した」と思われてしまいます。国際社会での信用は失墜してますね、たぶん。

 事の本質は、あれに似ている気がします。
 某有名ラノベ出版社での、鳴り物入りな期待の新人デビュー受賞作が実は著名な作品群からのツギハギコピペだった騒動。
 コピペした書き手は論外。本当に問題だったのは、そんなコピペ文章を見抜けなかった編集や選考委員の資質です。てめーら、素人かよっ! と思いましたね、当時。

 東京五輪エンブレムでも同様の問題点をもっとも重要視すべきです。
 当該のデザイン事務所は、まー叩けば叩くほどに次から次へとコピペやパクリ、無断流用の事例が出てきて、これはもう事務所全体に、他者作品の権利に対する意識が欠けているとしか思えません(写真のコピーライト表記をトリミングでカットしたうえで流用とか、凄すぎます)。ですから、事務所の資質は語る価値すらないと思うのです。
 それより問題なのは、五輪の委員会連中が何もしていなかった点。デザイン候補に上がってきた時点で、既成デザインとの類似性をチェックしなかった怠慢さ。そして、問題が発覚してからも頑として取り下げようとしないばかりか、その正当性をあれこれと主張する意固地さ、往生際の悪さ。ここにこそ、今回の問題点が凝縮されていると考えるべきです。カネがらみなのかプライドなのか、ともかく非を認めない姿勢こそが大問題(対照的に、↑の出版社はネット住民の指摘に真摯に即座に対応しました。その点は評価できましたね)。
 東京五輪にミソを付けたのは他ならぬ委員会そのものだったワケです。

 疑惑だらけなデザイナー氏事務所は論外として(なのに、こいつ被害者面してるよ……)。
「たった二千五百億円」発言とも相まって、森元総理も不適格だと思いますよ。