(旧暦 如月九日)

 昨今の1クール完結アニメを観たような印象でした。
 残念ながら詰め込みすぎ感が否めないです。

 まさかのジャブロー
 ってか、たしかにジャブローは南米にあったけど、ギアナ高地でしたっけ?
 にしても放置されてたズゴックの保存状態良すぎでしょ(ギアナ高地なのに、デビルガンダムの死骸じゃなかったのねん)。

 最終回でも、アイーダさんはMSパイロットとしてはブレずにポンコツ姫でしたね(笑)。最後に、生存者全員の救護を命じた堂々たる姿勢で名誉挽回しましたけど。
 堂々たる、と言えば天才くん。こちらはMSパイロットとしての優秀さだけでなく、バカな父親に対する反旗でもって株をかなり上げました。グライダーでミックと二人で出て行ったのは、出世の道を捨てたという意味かな。まー、大統領に脅しかけたんだから、当然か。
 ケルベス教官が生き残ったのは嬉しかったです。ちょうど、カミーユにとってのアポリー中尉みたいな存在ですからね。最後の最後に退場するんじゃないかと、ヒヤヒヤでしたとも。

 Wスパイだった先生の背が、いきなり縮んだのは理解できませんでした。
 二百歳の総裁と、先生がマスクと握手したときの「クンタラと似た境遇にある」とか言ってた台詞、この二点が伏線だったのですね。

 敵味方全員仲良く揃って大団円。
 と言うと『エルガイム』を思い出します。
 そう言えば、ダバも新世代社会の重鎮になれる資格を放棄して田舎に帰ったんだよな。まあ、ベルは、そもそもそーゆー地位に就く気ゼロでしょうけど。
 ただ、ヤーマン王朝の末裔であるダバと、レイハントン家嫡男のベルは、共に偽名で落ち延びたという点で立場的には近いものがありました(姉弟二人がバラバラに落ち延びる、という点ではダイクン兄妹を模していると言うべきでしょうけど)。

 ルインとマニィのキャンプは、グエン卿とメリーベルの船旅に被らんこともないですね。
 ルインは、すっかり憑きものが落ちたような顔してたから、やっぱり強化されてたんだろうか? だとすると、シラフでベルを殺そうとしたマニィが怖すぎるんだが……。

 宇宙世紀からかなり経ってるのに、日本の風景が変わってない摩訶不思議(しかも新幹線って……)。世界遺産山頂の鳥居とか、よく残ってましたな。
 それともあれは、過去の資料を元に再現された“ナンチャッテ日本”なんだろうか?
 て言うか、北米がアメリア、欧州がゴンドワンと改名している世界で、日本だけが日本のままってのも納得しかねると言うか何と言うか。

 面白かったか?
 と問われると正直、「はい」とは言えません。
 Gセルフの無茶な高性能ぶりについての辻褄合わせが、まったくなされていない点など、素直に受け入れられない部分が多々ありましたし。
 何より、ストーリがね。各勢力の目的が全然見えてこなかった。ために闘いの終着点が読めないまま、気づいたら最終回になっていた印象。
 とにかく、無理矢理詰め込んだ感が邪魔しましたね。これが4クールだったら、余裕もあって楽しめたのかもしれません。

 富野監督は『Gレコ』のことを「子供向けに作る」とおっしゃっていたそうですが。
 これって、子供向けに出来てるんでしょうか?(つーか、深夜枠で「子供向け」作るなよな)