(旧暦 葉月十八日)

 番外編だ、たしかに。
 取ってつけたようなお話なので肩の力を抜いて楽しめるのは、いいですね。

 平成ライダーでいつも思うことは、歴代ライダー(昭和を含む)客演においての再現性が高いということです。
 クウガやアギトなど初期の平成チームは、たしか『ディケイド』のときにスーツを新調したんですよね。でもまったく違和感がない、つまりかつてのスーツを忠実に再現している。加えてスーツ・アクターさんたちの演技も過去作品を壊さないように気遣っている。
 これは愛がなければ、できないことだと思うのです。

 悪い実例が昭和ライダーおよび昭和のウルトラマンたちでした。
 当時は、やはり現場に「どうせガキが観るんだから」という甘えがあったものと考えられます。でなければ、あそこまで酷い客演は、ありえなかった。
 具体的に言いますと。
 まずは、『V3』にて本郷と一文字が帰国した際、その変身シーンにおけるSEとエフェクトが主演時とはまったくの別物だったこと。些細なことですが、これだけでも子供は違和感を抱くのですよ。なんで元のSEを使わなかったんですかね?
 で、昭和ライダーにおける大客演となった『仮面ライダー』(スカイライダー)における歴代ライダーたち。ここでの劣化が酷かったですよ。
 どこがかと言いますと。
 一つはライダーの体型。当時はまだまだスーツ・アクターが人手不足だった事情があるのでしょう、番組的にヒーローしてはならない体型(要するに小太り・短足胴長)がいたのですよね(ライダーではないですが、『ウルトラマンレオ』客演時の歴代ウルトラマンたちにも、小太り短足さんがいましたよ……)。
 次にマシン。歴代マシンはもう残っていなかったのでしょう。新規作製となったようですが、その出来が……悲しすぎました。なにせ、かつてはベースに輸出用の 250cc モトクロス用を使っていたのが、この客演時には国内市販の 125cc公道用を使っていた。125cc と 250cc とではガタイが違いすぎますから乗った姿が貧相になります。おまけに造形担当が、あんまり上手くなかった。

 昭和の現場には愛が足りなかったのでしょうねぇ……(涙)。
 それに比べると平成ライダーの現場には愛を強く感じます。予算もあるからでしょうが(笑)、とにかく歴代をきちんと再現しようというパワーがありますね。だから“お祭り”企画な番外編でも、特に文句がないのですよ♪
 一方のウルトラ・シリーズも『メビウス』に客演した歴代ウルトラマンたちは、昭和の客演とは段違いに正確でした。こちらの現場にも強い愛があったのだと思います。

 現場が「どうせジャリ番だから」と心の底で思っていては良いものはできない。
 当然のことですね。

 これについては、昭和の東映ヒーローのドンと言える故・平山プロデューサーにも、たいへん失礼ながら文句を言いたいですね。(;^_^A