社日、彼岸明け (旧暦 如月十二日)

サイコパス

 ラス前、ギノさんがコンテナに左腕を潰された時点で、その後の展開を予測できなかった自分に腹が立つ。
 そうだよなー。左腕は父親の歩んだ道を象徴する部位なんだよなー。

 シビュラシステムに抱いた既視感って何だろ?
 と考えていて思い出した二作品。
 コンピュータによる人類完全管理社会を描いた『地球へ…』と。
 ラスボスが脳ミソだった『サイボーグ009』(ヨミ編)と。

 物語世界での食糧の99%を締めるハイパーオーツなる遺伝子組み換え麦。
 あの完全無人化された農場を見て明らかなように、ハイパーオーツはシビュラに管理された日本人そのものですね。
 どちらも、システムによって都合の良いように“改良”され管理されている単一種……怖すぎます。

「いつか、ここの電源を切りに来る者がいる」と言い捨てた常守の背中にぶつけられた、あの邪悪な笑い……綺麗事を言いつつ、やはり連中の目的は人類征服なのでしょう。元が犯罪者の脳ばかりですからねぇ。

 エピローグに登場した新米監視官。
 未成年者が監視官にという異例は、きっとあれだ。常守の例で味を占めたシビュラが、理想的サンプル第二号として選んだんだろうね。例の桜霜学園出身者だし。

 槙島が常守をなぜ見逃したのか、だけが判りませんでした。
 ……口惜しい。



ロボティクス・ノーツ

 ベタだけど熱く燃えるパイルバンカー。
 何だかんだで王道を行きましたね。

 ラストシーンのあれは二、三十年くらい経ってるのかな?
 いや、さすがにその時代でも有人機が垂直ロケットってのは、ないか?