で、別件(笑)。

 ガンダム・シリーズにおけるファンネルの無敵さについて。

 これはシリーズ第一作『機動戦士ガンダム』のときから、ずっと疑問だったことです。
 第一作でのファンネル系兵器は、ブラウ・ブロエルメスジオングの三機です。どのファンネルも、MSばかりか戦艦を撃沈するほどの火力と連射性能、MSを翻弄するだけの機動性を持ち合わせていました(以降の作品でも、敵にしたときのこの厄介さは継承されています)。
 機動性は、ファンネルが無人で小型軽量なので、まあ何とか辻褄が合うとして。
 ブラウ・ブロジオングは有線ファンネルなので火力・連射性も本体からのエネルギー供給ということで納得できますが。
 エルメス装備のコードレスなファンネルビットだけは、どうしても許せませんでした。高機動のエンジンを備えると、別にビーム用のパックかジェネレーターを入れるスペースなんてないほどに小さいですからね。単発ならまだしも連射砲ですし。
 アムロ曹長搭乗の RX-78-2 が装備するビームライフルには、いちおう満タンで「十五発」という設定があります。
 ビットのサイズが全長約八メートル。ガンダムが全高約二十メートル。これを比較してもバランスが変だと思うのです(ライフルのエネルギーはガンダム本体からの供給なので、ビームを使いすぎるとガンダム本体が動けなくなる。テキサス・コロニーでの闘いが実例)。
 しかも、ビーム兵器技術についてはジオンより連邦のほうが進んでいるという事実もあり、ジオンが連邦よりはるかに高効率のビームを実用化しているとは思えないのですよね。この点については、ほぼ同じビーム兵器構成のガンダムゲルググの体格差を見ても明らかです。
(※ 一年戦争でのビームライフルはエネルギー・パック「CAP」内蔵という公式設定がありますが、これはガンダムが放送終了後にブームとなってからの「後付け」であり、放送当時はサーベル同様「MS本体から供給される」となっていました。当然、ストーリ展開も、これに準じていたはずです)

 シリーズ二作目『Zガンダム』のキュベレイ搭載のファンネルは、もっと小型化してますからね。
 制作サイドでは、この矛盾点をまったく意識していないのか、知ってて無視してるのか。

 だからまあ『AGE』に出てくるファンネルが、どんだけ無敵でも、ツッコミ入れる気はないのですが。
 そもそもガンダム・シリーズにおいて、ファンネルとは意外なラスボスかもしれないということです。リアルロボット物の中、こいつらだけ反則的強さですからね。