(旧暦 閏弥生十四日)

 そもそも「みどりの日」とは、昭和天皇のご逝去を受け、それまで「天皇誕生日」だった日の呼称を変えることで祝日の消滅を防ぎ、GWの連休を維持するというものでした。
 それが、右勢力によって「昭和の日」とされてしまい(なら、なんで「明治の日」や「大正の日」がないのか?)、それまで「国民の休日」として飛び石を埋めていた五月四日を「みどりの日」へと強引に変更したわけです。

みどりの日」というのは昭和天皇の「天皇誕生日」からの改名としては、本当に素敵な名称だと思っています。昭和天皇は植物学者でもあり、皇居内の植物を愛でておられたかたですから。
 だから、それを無理に「昭和の日」などとする必要はなかった。「みどりの日」のままでよかった。
 けっきょく、大日本帝国の栄光にしがみつきたい連中が、どうしても「昭和」という冠を着けたかった。そのために、「みどりの日」を蔑ろにした。
 昭和天皇に思いをはせるのに、「みどりの日」以上に相応しい名称はないと考えます(さすがに「大相撲を愛好する日」なんてやったら問題ですわなー)。

 仏蘭西では、飛び石連休になったときに、よく「橋を架ける」そうです。
 つまり、休日にはさまれた平日を休みにして連休を作り出してしまうのです。
 法律どうこうでなく、企業や学校が自主的に実行するそうで、きちんと休みを取る仏蘭西のお国柄と言えるのでしょうね。

 何でも欧米の猿真似ばかりする日本のお偉いさんがたですが。こういう粋なことだけは真似しないのですよね。
 で、連休を作り出すために「ハッピーマンデー」などという愚作を編み出す。
 祝日は日付に大きな意味があるというのに、それを無視して連休にする。自国の文化をここまで軽視する国家は他に類を見ません。

みどりの日」は四月二十九日だからこそ、昭和天皇をしのぶことができるのです。
 五月四日は単に「橋を架けた」だけの日です。この日付を祝日とする文化的歴史的根拠など何もない。
みどりの日」を五月四日に移動したことは、その意義をドブに捨てたも同然です。

「成人の日」は小正月が根拠の祝日だった。
「体育の日」は東京五輪の開会式だったからこそ、そして晴れの特異日だからこそ。
 そういった意味を踏みにじって、よくも一律月曜日に移動なんてできたものです。恥ずかしくないのでしょうか。

 前にも申しましたが。
 この国の政治家と役人に、本当に日本を愛している人が、はたしてどれだけいるのか実に疑問でなりません。