(旧暦 弥生十六日)

 一気に感想なぞ。


灼眼のシャナ III』

 大団円、でいいのかな。
 闘いの舞台を、この世から、あちらの世界に移して、フレイムヘイズも紅世の徒も皆、この世界から追っ払っただけ、って気もしますが。
 あれだけ長く続くと、当初の予定とは違う結末になったのかもしれませんね。原作者さんの受けたプレッシャーは相当なものだったと想像します。
 クライマックスのキーとして「平井ゆかり」の名が挙がったのは、そしてエピローグで、その平井さんが楽しげにしているところは、ぐっときました。
 思えば、悠二は物語の最初から、平井さんのことをずっと気にかけてましたからね。自分もじきに消えてしまうというのに、平井さんのためにデートのセッティングをしてやったり。シャナに本気で怒りをぶつけたのも、シャナが平井さんのいた位置に割り込んだから。
 だから、最後の闘いで悠二が、シャナの持っている平井さんの存在の力を返すよう求めるのは当然の流れでした(思い至らなかった自分に腹が立つ)。
 それにしても、最終決戦のあたりでは、登場人物が多すぎたきらいがありました。とてもじゃないが一回では頭に入りません。世界を二つに分けた大きな闘いなので仕方ないですが。
「贄殿遮那」「零時迷子」「弔詞の詠み手」「万条の仕手」「探耽求究」「天壌の劫火」などなど、劇中の固有名詞に独特の色があり、これが成功の一因だったと思いますね。



戦姫絶唱シンフォギア

 拳、剣、銃のトリオ構成。まるで平成仮面ライダーでした。
 そう言えば、響や翼のキックは、まさにライダーキックの姿勢でしたね。
 最後に「歌は人を幸せにする」と持っていきはしましたが、やっぱり歌の扱いは、まちがっていたと思います。
 つか。歌いながら闘うという絵が、生理的に受け入れられません。歯を喰いしばらないと、人は力を出せないのですから。
 絵と言えば、敵モンスターである「ノイズ」のデザイン、あれも何とかならんかったものか。どうにも昔のソフビ怪獣にしか見えなくてサー(苦笑)。
 三人の使うギアの、メカとしてのデザインはかなり好きです。響のアーム・パンチと言い、翼の巨大剣+キックと言い、クリスのガトリングガン→ミサイル群と言い。技の発動時に技名が「蒼ノ一閃」等々の文字でインサートされる演出も熱かった♪
 割れた月は……どうするんでしょうねぇ。



夏目友人帳 肆』

 いつもなら最終回は全員大集合エピソードになるのですが。
 この「肆」では、夏目の過去との決別、というか「踏ん切り」を描いた最終回でした。
 常に過去に縛られていた夏目でしたからね。その意味でも、これはアニメ版においては本当の最終回という印象を受けました。
 商売ですから、反響が大きければ、またやるかもしれませんが。でも、この段階ではアニメ版『友人帳』は完結したのだと思います。
 最近の妖怪モノとしてはダントツに良作なので、まだまだ観たいところではあるのです。



『妖狐×僕SS』

 キャラものとしては、かなり面白かったです。掛け合い漫才がサイコーですね。
 しかしながら、妖怪モノとしてはダメダメです。
 と言いますか。これは『いぬぼく』に限りませんが。多くの妖怪モノ漫画が『ゲゲゲの鬼太郎』に縛られすぎているのが気に入りません。
『いぬぼく』で例を挙げますと、一反木綿と、がしゃどくろ。
 反ノ塚の変身する一反木綿は、色こそ変えているものの、鬼太郎の仲間であるあいつと、そっくりです。つまり、デザインを水木作品からモロパク。
 髏々宮の変身するがしゃどくろは、もっと悲惨です。そもそも「がしゃどくろ」という妖怪は、伝承には存在しません。巨大な骸骨の化け物を描いた絵は残っていますが、名前は違う。これも、水木しげるさんの著書をそのまま引用した結果です。
 他作品で顕著なのは『ぬらりひょんの孫』です。主人公は、妖怪総大将ぬらりひょんの孫という設定ですが。ぬらりひょんを「妖怪の総大将」としたのは他ならぬ水木しげるさんです。水木さんの個人的意見でしかありません。
『鬼太郎』を始めとした水木作品群は、あくまでも作品であり資料ではないのです。ついでに言ってしまいますと、水木さんの妖怪解説本も、その文と絵に氏の創作が混合されているため資料的精度は低いです。と言うか資料として読むのは危険ですらあります。
『鬼太郎』は偉大な作品ですが、その設定を資料として扱うのは間違いであり大問題だと思うのです。
 そう考えると、ほぼすべてをオリジナルの妖怪だけでこなす『友人帳』と、民間伝承に極めて忠実な『もっけ』は、素晴らしい妖怪作品だと、あらためて思います。



BLEACH

 とうとう終わりましたねぇ。
 途中、連載を追い越してしまったため、何度かアニメ・オリジナルの編でつないだりしてましたが。
 個人的には、卍解が出てきたあたりからの『ドラゴンボール』っぽい展開よりも、初期のルキアがお嬢様を不自然に演じて学校に通っていた頃が、虚と闘う際に一護をぶん殴って幽体離脱させて死神にする頃が大好きでした♪



牙狼 〜MAKAISENKI〜』

 深夜枠でも、特撮はここまでできる!
 前作同様、これを感じさせてくれました。
 前作『牙狼』で、雨宮監督を見直した私です(失礼)。
 今回、戦闘ではCGパートがかなり多かった印象ですが、鎧召喚前の生身のアクションも迫力があって楽しめました。
 元老院の“アンヌおばさん”だけは邪魔だったかもなー(爆)。
 それにしても、前作のときも感じたのですが。『牙狼』と『シャナ』って、なんであんなに各符号が一致してるんでしょうねぇ。不思議なシンクロです。