(旧暦 弥生八日)

 脱原発が難しいように、あちこちで言われてますが。
 たしかに、今すぐには厳しいところもあるかもしれません。
 ですが、本気になれば、できるはずです。いや、できないわけがない。

 古い例を挙げます。
 現在は普通に機能していて、ユーザーがその存在をさほど気にしないものの一つに、自動車の排ガス規制があります。

 これね。
 かつて「53年排ガス規制」という極端に厳しくなる規制が導入されようとしていたチョイ前のこと。
 国会と役所の動きに対して、トヨタが公言しました。
「こんな規制をされては、国産車すべてが時速80kmしか出せなくなる」と。
 高速道路の最高速度が100km/hですから、最高80km/hの性能では弱いことにはなりますね。つまり、使い物にならなくなる、と言って猛反対したのです。

 メーカーが言うのだから、技術的に厳しいのだろう。
 と素人は思ってしまいます。

 ですが蓋を開けてみれば、どうだったでしょう。

 お上による排ガス対策車に対する減税措置(今なら、エコカー減税エコカー補助金みたいなものか)もあり、各メーカーとも規制施行前の規制対応に積極的でした。クリーンな排ガスとなると、イメージも良いですからね。
 日産の「NAPS」、マツダの「AP」、スバルの「SEEC-T」、ホンダの「CVCC」、そして猛反発していたトヨタも「TTC-C」「TTC-L」といったエンブレムを付け、イメージ戦略すら図りました。
 しかも、一時的には姿を消した各スポーツ車も、じきに、より高性能になって復活を果たしています。

 要するに。
 やればできる!
 のですよ。

 技術屋という職の人たちは、難しい課題を振られると闘志がわくのか何なのか。それを克服することに全力を注ぐようですね。
 言ってみれば登山家の心境でしょうか? 実に頼もしいです。

「できない」「無理だ」というのは、そんな技術屋さんを抱えた企業の経営陣がほざく戯言にすぎないのですよ。
 優れた技術に対し、「儲からないから」と足枷をかけるのは、算盤勘定しかできない下劣な輩なのです。

原発が必要だ」と大声で言っている連中も、同類でしょう。
 要するに原発の利権で稼いでるから、脱原発など「やりたくない」だけなのです。
 そんな輩は日本にとって害毒でしかありません。

 やろうと思えば脱原発は可能。
 いや、そればかりか、脱東電だってできるはずです。

 3.11 で猛反省したはずの物理学者たちが、もっと発言すべきですよね。原発不要論と、原発に代わる新たなエネルギー技術について。
 それが、原発を推進してきた、と言うか電力会社の太鼓持ちをしてきたことに対する、せめてもの贖罪だと思います。
 これをせず沈黙するなら、やはり原発を肯定してきた物理学者どもは万死に値すると言わざるを得ません。

 民主政権もなぁ。
 脱原発に舵取りすれば支持率激増だろうに。
(まあ、政権政党なんてのは、多くの庶民の支持よりも、一部の大金持ちの支持のほうが大切なんだろうけどサー)