妄想ついでに。

 もう一点、疑問の部分に手前勝手な推理と言うか想像をしてみようかと。

 誰が牧瀬紅莉栖を刺殺したのか?

 という部分ね。

 一般的に考えるなら、あらゆる可能性を考慮しないとあかんのですが。例えば強盗、通り魔、変質者、ストーカー、無差別……等々、まったくの第三者が犯人という可能性。
 しかし、これは物語ですから。今まで未登場のキャラに、いきなり終盤で「犯人です」とノコノコ出てこられても困ると思うのです。
 となれば、既登場キャラの誰かが犯人と考えるべきですよね。

 では候補は?

 妖之佑は、第一話でタイムマシン理論がパクリであるとオカリンに図星を指摘され狼狽えた、あのオヤジだと思っていたのですよ実は。ドクター中鉢でしたっけか。
 このキャラ、TV公式サイトのキャラクター紹介ページに、オカリンらレギュラー陣と同等の扱いで紹介されているのですよね。たった一話だけの、それもラジ館での講演という1シーンでの登場なのに。
 変だと思わないほうが変。
 終盤にキー・マンとして出てくるんじゃないかと予想していたわけです。
 で、この中鉢博士犯人説に至ったのです。天才少女・牧瀬紅莉栖の才能を妬んでの犯行か、あるいは牧瀬紅莉栖の理論を横取りしようとして脅迫か何かの愚行に出た挙げ句の犯行、とかね。

 ただ、ここに来て別の可能性を思い、不安になってます。

 紅莉栖殺害の動機が、もっと大きなものである可能性。
 そう。人類の命運をかけた作戦の結末である可能性。

 お判りでしょう。
 紅莉栖は後の世で「タイムマシンの母」となる存在です。彼女がいたからこそ、SERN は世界支配を成し遂げた。彼女がいたから世界は闇の時代になってしまった。鈴羽が敵意を持って紅莉栖を睨んでいた理由ですよね。
 ということは……紅莉栖を亡き者にすれば世界は救われないか?
 そう。2036年の世界で SERN に対向するレジスタンス組織、鈴羽の属していた組織。そこが暗殺者をし向け、作戦成功した可能性です。
 IBN 5100 をラボメンに届けるべく鈴羽を過去に派遣したほどですから、もっと大きな目的でもタイムマシンを使うことは充分に考えられます。

 妖之佑は、この方向でも実は当初、鈴羽を疑っていました。自称戦士でもあり、その言動が怪しかったですからね。
 よって当初、理由は不明ながら、鈴羽が紅莉栖殺害を目論んでいる可能性を疑ってました。なにせ、あの恨みの視線でしたから。
 しかしながら、紅莉栖が刺殺された世界線では、あの“人工衛星”は出現しないわけですから、そもそもが見当違いもいいとこだったわけです(苦笑)。

 暗殺説が正しいとして。
 じゃあ、派遣された暗殺者とは、いったい誰か?
 もちろん、すでに登場しているキャラでなくては演出上の意味がありません。
 今のところ、レギュラー陣の中でレジスタンスに参加したことが判明しているのは、鈴羽を除くと二人。
 タイムマシンを完成させたダルと……オカリン。
 ですね。

 …………。

 むー。
 暗殺説、外れてほしいです。

 ただ、暗殺説が正しい場合、希望も出てくるのです。
 それは、つまり。

 牧瀬紅莉栖が刺殺される世界線は、本来の世界線ではなく、未来からの干渉で過去改変された世界線である。という可能性が濃厚になるのですよ。
 言いかたを変えるなら、本来の世界線では、紅莉栖は若くして死なずにすむ。
 考えてみれば、牧瀬紅莉栖刺殺→オカリンがDメール、の流れで世界線が移動、SERN が世界支配してしまうわけですから。暗殺者は結果的に失敗していることになります。
 暗殺側としては紅莉栖暗殺とオカリンのDメール阻止とを同時に遂行し成功させなくては目的を果たせません。なら、暗殺を阻止しても問題ないように思うわけ。紅莉栖が死んだところで、結果的には、どうせ SERN の思い通りに進むんですから。
 となれば。阻止したうえで別の世界線へ移動する術を探せるように思えますね。

 うーむ。
 暗殺説が的中しているとして、暗殺者の正体には鬼畜な展開が予想されるものの。
 希望も、そこにあるとなると……むぅ。